武器を


おれは真っ白な錠剤を喉奥に突っ込んで

散歩と称した何かへ出掛けた

もしかしたら違うかもしれない

よくわからないこの世界の何もかもが

それでも問題は無かったし

何もかもをわかってるふりをすることは出来た

おれは冷蔵庫と仲良くなって問題を先送りにした

いつかとんでもないことになるだろうけど

それは明日でも明後日でもないだろう

何も聞きたくない

あいつらは色とりどりの風船を持たされて陽気に笑っていた

そして同時進行で狂っていた

戦争をするしかないね

「絞り立ておじさん」

そのような存在にされ

おれは後ろ指をさされ笑われていた

おれはこの星で生まれ

火星人は火星で生まれて 

ドーナツはドーナツ星で生まれ

そして疑問が今度こそ輪郭を持って立ち上がりこちらを凝視するのだ

びびるなと言うのなら武器をくれ


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る