ネタ詰め合わせ

バリバリさん

給食

 バクバク、ガツガツ、バク、ゴクリ

唾を飲む音が良く聞こえる。いつもなら人の話し声で掻き消されるはずの音が今日はよく聞こえた。

クラスの目はまさに獣だった。

 何かを狙っている、何を?考える必要もない答えは簡単だ…


きな粉パンとは、きな粉パンとは、きな粉パンとは

きな粉パンなのである。

 きな粉パンそれすなわち僕らの至福、宝、天からの恵み、そして給食という場でのきな粉パンは僕らの深い場所にある欲望が刺激されもはや今の僕らに

理性などないあるのは純粋な食べるという欲望!!

 そして今から始まるのは!!

今僕らはまさにそのおかわりジャンケンという勝負戦いの準備を行なっている。僕もその一人だ。

 グーを出すかパーを出すかそれともチョキ。

ジャンケンは先生との対決生き残りを賭けたサバイバル!!

 負けは許されない、きな粉パンの残機は一つしかない。一つのパンに大勢が狙う厳しい戦いになりそうだ。

どくん、どくん、どくん、と心臓の鼓動が聞こえる

いつだいつ始まる…まだまだ…ガタっ

椅子から立ち上がる音クラスに緊張が走る…

先生が話す、その声は酷く震えてる

「これから…おかわり…ジャンケンを始めます」

小さな声は普段なら聞こえないが今は違う誰も聞き逃すことはない。

バッと一斉に顔を声の主に向ける。

 「まずは野菜から…」

まずは野菜いつも通りだそしてこの後汁物。

ここはまずスルー

馬鹿共はここで手を上げるが僕は違う…

野菜、汁物が終わり次は…

 「最後にきな粉パン欲しい人」

その一声がクラスを一つにした大縄では一度も飛べなかった僕たちが同じタイミングで手を上げた。

それに先生は驚きを隠せない。


 先生のジャンケン、パターンはこの半年で分析した僕の勝ちは確定している!!

 最初はグー、ジャンケン…

最初はパーを出せば勝てる––––















なぜだ…なぜ俺は負けているんだ視界の片隅できな粉パンを手に入れ喜ぶ姿が見える。

本来なら僕があそこにいたのになぜ!!

負けた俺の半年は全て無駄だったのか…

トントン…誰かが僕の肩を叩く

「なんだ…」

「ねぇ君さあ給食ないけど大丈夫?」

「え!?」

あれそういえば僕保健室から帰って来て給食は多分

置いてると思ってそのまま座って…

それじゃああのきな粉パンはまさか!!

「あ、あ、アアアアアアアアアアアアッ」

その悲鳴はクラスを超え学校全体に聞こえその後

彼はクラスからきな粉マンと呼ばれ。

学校ではきな粉パンの妖精という名で伝説となったのだ!!


「きな粉ぉぉぉぉーーーパアアアアアアッん」



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