第2話 等価交換(お題「死人に口移し」より)

女はね。魂が複数あるの。


彼女はそう言って死んだ彼に口付けた。

間も無く、彼が息を吹き返す。


魔法だ。

僕は驚く。


違うわ。

彼女は大きかった腹を撫でた。

気づけば、足元には血溜まり。


魂が移っただけ。


腹の子は死産だった。

でも、彼女は彼が生きていることの方が大切だと言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る