第二章
第10話 日曜日の午後は穏やかに…過ぎ無い
土曜日の夕方にはグループラ〇ンに龍崎のノートと例の動画がアップされた。
羞恥で震えつつも眼や腕が光っているところが映ってないか確認。
恥ずいから削除してくれとコメントするも、アンナから一生の宝物にすると返信が来た。
龍崎からは、個人ライ〇に“あんたのノートを晒さないと宿題はアップしない”との脅し文句とスタンプ代わりにウチの赤眼の写メが張り付けてあった。
おまけに龍崎のアイコンがピンクのミ〇キーキャップにハートのサングラスをかけたマスク姿の女変質者の写メに変わっている。
取り敢えず龍崎のフ〇イスブックの“dislike”ボタンを連打した後、ウチのノートを晒す。
何の羞恥プレーだよう、まったく。
アンナからは速攻で、感謝のスタンプの連打が来た。
ノート毎にコメント付きで褒められてる。
速攻で読んでるよ、この娘。
このノートの内容で感謝されるのは恥ずい。
“リップとカラコン気に入ってくれた?“って聞いてみる。
“月曜日付けていきます”って返事が来た。
“月曜日に学校で”ってコメントを返しておいた。
これでウチがカラコンを付けてる事の言い訳と隠れ蓑ができた。
眼の件は対策オッケーと。
左腕の紋章は、しばらくは包帯で隠せる
衣替えまで逃げ切れば、冬の間はどうにかなるだろう。
後はこれ以上の影響が出なければ良いけど。
とっ、バカなフラグを立てながら寝たせいだろうか、出ましたよ今度は右腕に。
両腕に少し力を込めてみると、おっ光ったねえ。
カーテン閉めた薄暗い部屋が輝いてますよ、これ。
アッ、左眼がなんだか熱くなってきたと思ったらまた何か出た。
慌ててカーテンを開けて窓を見るが割れてはいない。
窓を開けて空を見上げると、青空に丸い月が出ていた。
その月の表面が一瞬光ったような。
イヤ、ちょっとだけ、ちょっとだけ光ったような…。
見間違いだろうね。
そうだよ、窓ガラス割れてないもん。
って、ガラスに穴が開いてる。
1mmくらいの小さな穴がカーテンにも開いてる。
確認のためもう一度月を凝視しようと思って、両手の親指と人差し指で丸を作ると目に当ててみた。
大空に向かって二本の白い線が走ったように見えた。
眼からビ―――ム。
成層圏を超えたずっと向こうで白い光が爆ぜった。
ラブリービー〇、ナンチャッテ。
ウチ、ピーチからラブリーに進化しました。
バカ言ってる場合じゃないよう。
ナンかヤバイ事になってるよう。
慌てて鏡を見ると右眼もイっちゃてるし。
カラコンを付けるとどうにか抑えられそうだけど。
後は魔力を抑え込む方法。
興奮すると昨日のようにまたスーパーサ〇ヤ人化する恐れがある。
プリティーでキュアなピンクから汗臭いサル星人になるのはイヤだ。
ネット検索によると怒りによって覚醒するらしい。
戦闘力over9000になるとか。
日曜日の午後はハーブティーとアロマテラピーとヨガのネット動画を鑑賞しつつ、ハーブティーの代わりに番茶で、アロマはお線香で代用して座禅を組んでみた。
それを見てたママが栗羊羹を二切れ供えて手を合わせて去って行った。
ウチはママの愛にそっと涙する。
寝る前のテレビニュースで言ってた。
今日早朝、関東、信越、東海、北陸、近畿の広範囲で原因不明の電波障害が発生したようだ。
原因は一切不明らしいよ。
ふ・め・い。
外信では中国の通信衛星だか軍事衛星だかが突如音信不通になったそうで、中国政府はアメリカからの何らかの攻撃が有ったとか無かったとか非難声明を出したらしい。
詳細は不明らしいけど。
ふ・め・い。
ゴメンナサイ。
ワザとじゃないんです。
勘弁してください。
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