第42話 感情渇望少年



 門の向こうに見える 幻想に捕らわれて

 手に入らないはずのもの 渇望していた


 辿り着く場所も たどりつきたい場所もないから

 立ち止まり続けてきた


 もうそろそろ歩き出す頃だろう


 知った口きいて 背中押されても

 歩けないよ


 歩き方すら

 知らないんだから


 命が弄ばれる世界で

 人は簡単に与えられたものを投げ出せる


 考えたって 悩んだって

 そんなのこっからじゃ分かんないから


 何か見えるものがある

 ……はずがない

 逆立ちしたって

 この世界はまるで変わり映えしない


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