第3話 この愛は傍にあるだけで



 言葉も交わせず 約束も交わせず

 想いも確かめられないまま

 手に入れた愛


 恨んでいるでしょう

 きっと殺したいほどに


 貴方が好き

 狂おしいほどに

 夜が巡るごとに涙を流しても

 贖罪はしない


 悪でいい

 悪だからこそ

 この愛が傍にある


 冷たく苦しい罪の炎に焼かれながら


 貴方との甘く寂しい時を過ごしていく

 背中を向けたままで

 けっして顔を見る事はできないけれど

 言葉を交わさないままで

 けっしてその声を聴く事はできないけれど


 傍にいる

 それが全て

 幸せの全て……


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