(二)-4

 加害者が北方組で、被害者が尾襖会の企業であることから、この二つの組織の抗争であると推測された。

 そもそも尾襖会はもともと北方組の傘下にあった。それが、二年前に尾襖会の会長である頴娃えい龍司が父武ちちぶの山中で死体となって発見された頃に北方組の傘下から離れ、独立した。それが発端で抗争がたびたび起きていた。

 そのような経緯から、捜査会議では北方組側の情報を県警へ照会すること、今後の町内の警戒を厳にし、パトロールを行うことが捜査方針として決められた。


(続く)

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