第176話食材集め
次の日…
さすが王子の秘書だけの事はあるロードさんは有能なようで私が頼んだ食材を見事に集めて来てくれた。
サミュエルさんのアドバイスもあり私がした拙い説明で食材を解説してくれてそれをロードさんが発注したようだ。
厨房に並べられた食材をみて目を輝かせる!
「「「すごい!」」」
私と、パッドさんと、ビオスさんは食材に群がった!
「わー!魚だ!魚!」
「すげぇ!生の魚なんて初めて見たぞ!」
「他にも見た事ない食材が多いな!おいミラ!これなんだ!?」
「どれ?あー!!これ!これがわさびだよ!」
私はパッドさんが握っていたわさびを奪うと上に掲げた!
「これがわさびか…どれ?」
王子がわさびを奪うと匂いを嗅いだ。
「なんて事ない匂いだな」
「それはすりおろしてみてから言ってよ」
私はわさびの茎を落として周りの皮を削ぎ落とすと予め作っておいたすりおろし器でのの字に回しながらわさびをおろした。
「はい!これがわさびですよ!」
「どれ?」
ファイ王子はおろしたわさびを指でつまむとそのまま口に運んだ。
「あっ…」
止める間もなくファイ王子は#わさびだけ__・__#食べてしまった。
「うっ!み、水~!」
ファイ王子は目に涙を溜めて水を求めて走り出した!
「お、王子!」
ロードさんが心配しながら慌てて水を用意すると…奪うように掴んでごくごくと勢いよく飲みだした。
「ふぅ…」
ようやく辛味が落ち着いたのか息を吐くと…キッ!とこちらを睨みつけた。
「ミラ!なんだこれ!?食べられたもんじゃ無いぞ!」
「そりゃそうだよ、このまま食べる人なんて居ないもん。本来ならこれと一緒にお魚とかで食べるんだよ」
食いじのはったファイさんにやれやれとため息をつく。
「くっ!」
王子は悔しそうに眉をひそめると元凶のわさびを睨みつける!
「俺はもう食わんぞ!」
「別にいいですよー。じゃあパッドさん達お魚捌いてください」
「え?」
「魚を捌く?」
二人が無理だと首を振った。
「え!?二人とも料理人でしょ!」
「魚なんてほとんど扱わないからわからんぞ」
「俺もだ」
うそ!私も魚は捌けない…お寿司なんて捌いた状態でしか見ないからなぁ…
二人が無理だと思わなかった、どうしようかと思っていると…
「では私が」
サミュエルさんが手をあげた。
「サミュエルさん!」
「少しなら取り扱った事がありますので…」
「お願いします!私は聞いた事はあるけど捌いたりは出来ないんです…」
「しかし私も上手くできるか…」
「大丈夫です!知識だけはありますから!確か…頭を取って三枚におろすって言ってました」
「え?誰が?」
変なところでファイ王子がつっこんでくる。
うるさいなぁ…テレビの料理番組で見たなんて言えないし…
「その…父から」
「へぇイーサンは凄いな!」
「あっそっちの父ではないんですけどね…」
面倒だからそういうことにしておいた。
サミュエルさんの横についてわかる知識で口を挟む。
「なんか骨に合わせて包丁を滑らせるって…」
「なるほど…骨と身とに三枚に分けるのですね」
「そうです!それを三枚におろすって言ってました!」
パッドさん達もその様子を興味深げに見つめていた。
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