第150話ミラ

「私とクロードはお店の関わりにミラがいるのをずっと隠していただろ?でも今回の騒ぎでミラが店に深く関わっているとバレてしまってね…」


私が誘拐されたからか…


迷惑をかけたことを思って顔が曇り肩を落とすと


「何度も言うけどミラが気を落とす事は何もないんだ、悪いのはあいつなんだから」


「うん…でも、迷惑かけてごめんなさい…せっかくイーサン様達が隠してくれていたのに」


ペコッと謝る。


「それだがどうだろう?今回バレてしまったし…このさいミラがお店を出したと大々的に報告してみようかと思うんだ…」


イーサンが伺うように聞いてきた。


その顔は少し悩んでいるように感じる。


「私は全然大丈夫ですよ!今回王子もお得意様になりましたし…計画通りです」


私が気にしてないとにっこりと笑うと


「そんな気はしていたよ…」


仕方なさそうに笑った。


「まぁまだ疑っている人もいるみたいだが…」


「そりゃ信じられないですよね…子供が考えてるなんて…」


「でも今回王子の信頼を得られたのをちゃんと見せつければ手を出す輩は居なくなると思うんだよ。だから今がミラを紹介するのに最適だと思ったんだ」


イーサン様の言葉から私の事を思って色々考えてくれているのを感じる。


私はイーサン様の手をぎゅっと握ると…


「ありがとう…ございます」


心から感謝した。


イーサン様はそんなに私を抱き寄せると


「それでも馬鹿な事を考える奴は居るかもしれない…でもきっと守るからね…だから好きなようにしなさい」


そう抱きしめながら言ってくれた…


私はイーサン様の肩に顔を埋めてコクコクと頷く…優しい父に抱きついて涙が止まらなかった。



私の怪我が良くなってから私のお披露目をする事が決まった。


その為に新しい料理を作ることになり、毎日パッドさんとビオスさんが私の部屋に来るようになった。


「何がいいかなぁ~コロッケをアレンジする?それとも違うメニューがいい?」


「コロッケのアレンジがまだあるのか!?」


パッドさんが驚き目を見開く。


「ありますよー芋をカボチャにするとか肉を入れるとか…あっ!そうだ!メンチカツもいいなぁ~」


「メンチカツ…なんだそりゃ…名前だけでも美味そうだな…」


「芋じゃなくて全部お肉であげるんだよ。ビオスさん前にハンバーグ作ったの覚えてる?」


「もちろんだ!ミラが出てってからもよく作ったぞ」


ビオスさんが頷くと


「そうなんだ…みんな美味しいって?」


伺うように聞くと…


「ああ…あいつらみんな喜んでたよ」


ビオスさんが笑顔で答えた。


「そっか…ならよかった。ビオスさんありがとう」


ビオスさんは眉毛を下げて笑うとガシガシと頭を撫でてくれた。


「そのメンチってのは気になるな…早速作ってみよう!」


パッドさんが言うと二人は私を抱き上げて厨房へと走った!

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