第137話行動(R15)

ジョンと看守長は直ぐに収容所を出て行く準備を始めた。


ジョンはフードを深く被りローガン達に隠されながら看守長と荷物の搬入口へと行く。


看守長は休みを急遽もらい町に帰ることにして看守達に声をかけた。


ジョンは騒ぎを起こしたとい言うことで独房に入れることにする体にした。


そうして置けば居ない間の誤魔化せるだろうと…


「私が戻るまで彼を出さないように…与えるのは水だけでいいですからそれ以上の世話はやかないように反省させておいて下さい」


看守長からの指示に看守達は頷いた。


「あれだけの騒ぎを起こしたのですから当然ですね」


看守達もジョンの処遇に納得する。


「では留守を頼みます…」


看守長が馬車を用意させている間に…ジョンは御者として紛れ込んだ。


看守長が馬車に乗り込むと…


「彼と変わってくれ」


本当の御者にジョンと代わってもらう。


ジョンが馬車の中に入ると改めてケイジ看守長に頭を下げた。


「ここまでしてもらってありがとうございます…決して看守長を裏切るような真似はしませんから…」


ジョンは深々と看守長に頭を下げた。


「まぁ裏切られたらそれ相応の事はしてもらうつもりでしたから大丈夫ですよ、それよりも今はミラちゃんの事に集中しましょう。私も彼女を気に入ってましたから…」


心配そうに言うと…ジョンの深く被っていたフードが動いた。


ケイジ看守長がビクッとすると…


「ああ、これはノアです」


フードからハーパーが連れてる小鳥が顔を出した。


「な、なぜ?」


「ハーパーが連れていけと…こいつはただの小鳥じゃないんだ、ミラにも懐いていたし居場所を探すのに役に立つって」


「そうですか、それは心強い…それと外ではなるべく顔を出さないように。あと私の事はケイジとお呼びなさい。間違っても看守長と言わないように」


「わかりました、ケイジさん」


ジョンはしっかりと頷いた。


ケイジは御者に町に急ぐように声をかけた。


その頃ミラは、あの男に追い詰められていた…


「逃げるな、優しくして欲しかったら言うことを聞くんだ」


ジェイコブ公爵はにっこり笑って手を差し出した。


ミラはその手を避けて逃げるように部屋の中を移動する。


(不快な表現があります。苦手な方は飛ばして下さい)


うー!気持ち悪い!


ミラは先程から鳥肌が立って仕方なかった…


「やはり痛めつけないと大人しくならないか…」


ジェイコブは気持ち悪く笑っていた顔を真顔にすると大股でミラに近づいてきた。


ミラはサッと避けるように走ったがグイッと腕を伸ばされて捕まってしまった。


ギュッと腕を掴まれると痛みが走った。


「いたっ…」


顔が歪む…見るとくい込むほど強く手で掴まれていた。


「やっと捕まえた、その透き通るような肌を傷つけたくない。大人しくしろ」


ジェイコブは掴んだ手の指でミラの肌をそっと撫でた。


「ぎゃあああ!」


ミラはあまりの気持ち悪さに叫び声をあげた!


「こいつ!」


ジェイコブは慌てて引き寄せると腕でミラの体を掴み口を塞いだ。

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