名もなき女神の聖剣②



 冬場が近くなると餌を求めて、森の獣が村に侵入してくることが何度かあった。その度に村人達が協力しあい撃退した、獣達はリスクに敏感なため撃退することは普通の村人でもそんなに難しいことではない。


 しかしこの日、村に侵入してきたのは魔物の群れだった。


 畑作業や力仕事で体はそこそこに鍛えられてはいても、戦闘訓練も受けていない村人が魔物達に敵う筈はなく、ただ逃げ惑うしかない。そしてその逃げてる村人の中に青年とその幼馴染みの少女が居た。


 できることなら助けたいが、名もなき女神には魔物を直接追い払う力はない。


 ………


 女神にとって青年が毎日顔を出してくれる日々はとても愛しいものだった。


 もしこのまま青年が死んでしまえば…またあの寂しかった日々に戻る。


 これは女神の我儘。


 女神は祈る、自身を対価に差し出して、他の神に。


 ただ自分の最後の信者を助ける為に。


 そしてその祈りは聞き届けられた。



 ――――――――――



 青年は幼馴染みの少女の手を引いて魔物達から逃げていた。 捕まれば間違いなく二人とも殺される。なんとしても少女だけは助けたい、青年はそう考え一心不乱に走った。


 しかしやがて壁際に追い込まれた青年は少女を背に庇い、魔物達を睨む。弱々しく全く意味をなさない抵抗。


 その時、突然目の前に光の柱が現れる。あまりの眩しさに青年と少女、そして魔物達も目を瞑る。

 光が収まりゆっくりと目を開けると、そこには一降りの剣が地面に突き刺さっていた。

 何の装飾もないシンプルな長剣。


 青年は驚いたが、藁にも縋る思いで剣を握る。剣を握ったことなんて今まで一度も無かったが、その剣は不思議と手に馴染んで力が湧いてくるようだった。


 少女に名前を呼ばれたが、青年は『大丈夫』と返し魔物達に斬りかかった――







 青年が剣を振り下ろすと、魔物の最後の一匹が断末魔の叫びを上げて地面に倒れる。

 満身創痍になりながらも、なんとか魔物を一匹残らず倒すことができたが、青年も力尽きてそのまま倒れてしまう。


 幼馴染みの少女が青年の名前を叫びながら駆け寄る。青年は薄れゆく意識の中で少女を守れた喜びと、約束を守れなかったことへの謝罪、そして…


(…もう……祠の手入れをするはできそうにないな……申し訳ありません…神……さ…ま…)



 青年が息を引き取ると、手に握られていたは光の粒となり天へ還っていく。




(ああ……彼を守ることができなかった……)



 その身を聖剣に変えた女神は悲しみに暮れた。



 聖剣は天へ還ると、自らの意志で新たな使い手を選ぶ。そしてその者が死ぬとまた天へと還る…これを繰り返す。


 青年を守ることが出来なかった聖剣女神は、もう使い手を選ぶつもりはなかった。


 名もなき女神の聖剣は他の聖剣に比べてもかなり弱い。


(強力な加護も無く、切れ味だって他の聖剣と比べると…見た目もそこら辺の武器屋に並んでそうなレベル…こんな自分じゃ…)


 そう、女神は完全に凹んでいた。




 ある時。

 異世界より勇者が召喚されるので聖剣を貸与することになった。

 勇者の名前は天川あまかわ 悠人はると、16歳の黒髪の青年。

 聖剣女神はその姿に驚きが隠せなかった。


(あの姿は…)


 それは、かつて女神が剣にその身を変えてでも守りたかった青年にそっくりだった。




 ――――――――――


 遅くなってすいません、消える前にアップします(ネガティブ



 それと一つ質問なんですが…


 これから先


 ①異世界編は別作品にして元の世界でのラブコメのみにしてほしい。(完全に話を切り分ける)


 ②この流れはそのまま進めつつ、元の世界での話も進めてほしい(本編はそのままで、作品を分けて元の世界でのラブコメパートを進める)


 ③異世界編は要らないから結果だけさっさとまとめて終わらせろ。(大幅に話数を削減して姫とメイドも名前だけにする)


 ④そのままで…


 こんな感じで進めてほしいって意見があれば教えて下さい。


 ただ、折角意見を頂いてもその要望通り進めれる訳じゃありません、できればキャラの削除や大幅な設定変更はしたくありませんし…


 よろしくお願いします。


 あ、どちらにせよ異世界でのシリアスは帝国編で終わりにするつもりです。


 悠人のみが知る魔王の話しとか、復活した茜を異分子として排除しようとする神の話しとか色々考えてましたが全部止めました。


 後は学校での悠人達の話しとか、例の薬で幼くなる話し(姫とメイドも)とかの話しとかを進めようかと…


最後に

極めて個人的な意見なんですが…ギャグもコメディも甘々もシリアスがある程度ある方が楽しくなると思っています。個人的意見です(二回目)





























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