一年生・玉の輿・チョコレート
「おっすー!チョコレート買ってきたよー」
高らかにお土産のチョコレートが入った袋を掲げながら
気にしたところでだれもいないのだから、気にするだけ無駄なのだけれど。
「割と久しぶりだね永遠。なにかわかったりしたのかい?」
もしかして
生きているとしたら誰かに囚われていて、自由の身になれないのか、あるいはもうすでに……。
「どったの氷姫。玉の輿に乗る夢でも想像してたの?」
ぼーっとし過ぎたのか永遠さんが妙な勘繰りをしてくる。玉の輿ってそんなの考えたこともなかった。玉の輿とは違うけど佑さんと……。
「おーい。氷姫。こっち無視してさらに妄想進めないでくれよー。中学一年生にはまだ早かったかぁ?」
「ほら。あんまり氷姫をいじめない。なにか成果があるからわざわざ来たんだろ。さっさと用件に入ったらどうだ」
勉さんの期限が少し悪気がするのは気のせいだろか。いや、あれからというもの勉さんはあんまり笑わなくなった。それは間違いない。
「ああ。わかったよ。とりあえずチョコレート食べながらな。期待しすぎるなよ。これまでなにも情報がなかったんだ」
そう言われたって期待せざるを得ない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます