ひみつの・潔癖症・アドバイス

「はぁ。ほんと防御が強いのね。いつまで経っても決着がつかないじゃない。どうするつもりよ」


 どうするもなにも諦めたらたすくが消えてしまうのだから抵抗するのはあたりまえだ。しかしそれは向こうも一緒なのか。


「だったらさっさと隆司りゅうじくんを返してくれればいいだろう。そうすれば大人しく帰るさ」


 コピーした双子の片方が消えていく。そんなに簡単に定着し続けられるわけではないみたいだ。今のこの、タイミングで攻め込まなくてはならないのだけれど。こちらも決定打に欠ける。


 だれかにアドバイスを求めたいところだけどそれもできそうにない状況が続く。


「あら。それはできないわよ。大切なお客様なんだから。それにあなた。いつまでもひみつの力を使い続けられちゃ困るんだけどね。いい加減にしてくれない?私疲れちゃった」


 だるそうに戦闘態勢をやめてしまうのを見て気が抜けた。なんだ、戦うのはやめるのか。このまま隆司くんを返してくれるといいんだけれど。


 潔癖症でもなかろうに。なにか振れてはいけないタブーにでも振れてしまってやる気が削がれてしまったのか。


「返してくれるのか」

「いやよ。そう何度も言ってるじゃない。聞き分けのない子は嫌いよ」


 結局話しは平行線。


「じゃあ、やっぱり。力づくでしか、ダメみたいだな」


 力任せに剣を振りかぶる。距離を詰めるが魔女もすぐに引き下がる。そして魔法の攻撃だ。それを盾で避けながら無理やり近づく。

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