しょんぼり・委員長・婚

「しょんぼりしてどうしたのみなさん。というか神楽かぐらはどこにいるのよ。私がしょんぼりしちゃうじゃない」


 突然どことからともなく現れた女性には見覚えがあった。双子の魔法使いの少年と戦った時に彼らを助けにきた介入してきた女性だ。そしてたすくを殺そうとした人。


「どこから入ってきた。それにつとむさんになんのようだ」


 一気に警戒心が増していく。この人はやばい。そう本能が告げいている。


「なにって貸してたものを返してもらいたかっただけなんだけどね。あら。そのこのお嬢ちゃんってもしかして神崎のお嬢ちゃんじゃない。うそ。目が覚めたってこと。そんなの聞いてないわよ。あそこの婚活がうまく言ったってこと。そんな馬鹿な」


 ひとりでブツブツと話し始める。前にあった時もそんな感じだったので彼女の癖みたいなものなのかもしれない。


「ああ。なんだこの委員長みたいな女性は」


 永遠とわが横から入ってくる。永遠のイメージする委員長ってそういう人ってブツブツと考え事を言う人なのか。それとも突然現れる人ってことか。


「ふぅん。面白いことになってるじゃない。ねえ。あなたよかったら私とこない?きっと偉大な魔法使いになれるわよ」


 そう氷姫ひめに向かって言い放つ。それを氷姫は受け取ることを拒否するように首を横に振った。


「あら残念。しかし面白い人達が集まっているのね。相変わらずといったところかしら。じゃあ、貸してたものを返してもらうわね」


 さっきから言ってるそれはなんなのだ。勉さんになにを貸していたと言うのだ。


「さ。行くわよ」


 ふっと姿を消す。


「えっ」


 あの時と同じ。これが彼女の能力なのか。


「やめてよ!」


 続いて聞こえたのは隆司りゅうじくんの叫び声だ。もしかして、貸してたものって」


「じゃあね。特異点くん」


 そうウインクして姿を彼女の姿は消えた。隆司くんと一緒に。

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