6 迷いのない決断
母方の祖母が助産院を細々と経営していて、息子である伯父の
国からの指示である出生検査が毎度流れ作業でしかないのは、引っ掛かる赤ん坊など見たことがないからだ。
国が
少量の血液が示す
能力がマーカーに示された場合はすぐに国へ届けるのが義務だ。それを
けれど、二人がその決断を下すまで時間はかからなかった。
キーダーは英雄だ。
しかし、キーダーの特殊能力は国のもの。有事が起きれば最前線で壁となり、国の駒として戦わねばならない。
生まれてすぐに力を制御するための銀環が手首にはめられ、十五歳になったら国に仕えるために家を出るのが決まりだ。
二人は赤ん坊の能力を
彼を産んだのは二人にとって娘であり妹だ。夫の死を受け入れることのできない彼女から、息子までもを奪うことなどできなかった。
東北の片田舎が
平野に出会ったのは、母親の葬儀が終わって
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