第161話161「神ノ徒(かみのともがら)」
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「異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜」
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「それにしても『一掃作戦』か⋯⋯。たかだか学生風情で何ができる? まー確かにハンニバル・シーザーや騎士団長のアルフレッド・ヴェントレーもいるようだが、こっちの『
そう言って、ミモザが歩的な笑いを浮かべると、
「くっくっく⋯⋯なるほど、
「わ、私は、もう⋯⋯」
「そんなの通用しないことはわかっているだろ?⋯⋯
「⋯⋯あ、ああああ」
レコはミモザに現実を突きつけられると、目から光を失い、諦めの表情を浮かべる。
「くっくっく⋯⋯それでいい。さて、『一掃作戦』の
「⋯⋯わ、罠?」
「くくく⋯⋯そうだ。お前は『洗脳魔法無効化班』だったよな? ちょうどいい。『洗脳魔法』の無効化が終わったら⋯⋯レコ、お前がカイト・シュタイナーたちを私のいる学園に誘導しろ。お前が『騎士団長たちの手助けに行こう!』とでも言えば、どうせみんなついくるだろ?」
「そ、それは⋯⋯」
「そうして、学園に到着し合流したところで、
「そ、それは⋯⋯っ!?」
そう言って、ミモザが懐から出したのは直径10センチほどの赤い魔石をあしらったブローチ。
「そう⋯⋯魔道具『魔神の抱擁』。闇属性の結界魔法となる『呪界魔法』が収納された魔道具。ま、誰でも知ってるわよね。ちなみにこの『魔神の抱擁』に収納されているのは⋯⋯⋯⋯
「ちょ、超級⋯⋯魔法っ!?」
「そうよ。
「ジェイコブ・ガリウス⋯⋯⋯⋯宰相」
そう⋯⋯『ジェイコブ・ガリウス』とは、このクラリオン王国の宰相を務める男。その男が『洗脳魔法の件』も『ミモザ・ジャガーに指示を出している』のも同一人物の仕業。つまり⋯⋯『黒幕』ということだ。
「ジェイコブ様の魔力量はそれはそれは『桁違い』⋯⋯それでいて魔力の質も高いから魔法の威力は学園長と同等かそれ以上。そんなジェイコブ様
「ま、まさかっ!? ガリウス宰相って『超級魔法』が使えるの!」
「あら? あなた知らなかったの?」
「て、てっきり、魔道具だけ、用意したのかと⋯⋯」
「必要ないわよ。だってジェイコブ様は超級魔法も扱える『クラリオン王国最強の魔法士』ですもの。まあ、その力は表には出さず隠しているけどね」
「そ、そんな⋯⋯っ?!」
ま、まさか?! ガリウス宰相って、そんなに魔法に特化した人だったっけ?
ううん、聞いたことないわ、そんな話!
じゃ、じゃあ⋯⋯どうして、ガリウス宰相が超級魔法を扱えるような『豊富な魔力量』をどうやって?
「フフ⋯⋯。どうせ、あなたはもう二度とまともな世界には戻れないのだから⋯⋯あなたも同じ仲間になるのだから教えてあげる。ジェイコブ様が『超級魔法』を扱えるほど魔力量が増えたのは、ジェイコブ様が所属する『
「ひ、秘密結社⋯⋯?!」
「その秘密結社の名は⋯⋯⋯⋯『
「か、神ノ⋯⋯徒⋯⋯?」
「そう、秘密結社『
「⋯⋯『聖なる組織』?」
「この世界は『偽りの世界』なのよ、レコ・キャスヴェリー? そして、この『
ミモザが顔を紅潮させて興奮気味に声を上げる。
いったい、この国で何が起こっているの?
「いいか、レコ・キャスヴェリー。三日後の学園騎士団の『一掃作戦』を私たちが
「そ、そん⋯⋯な⋯⋯」
「言っとくけど⋯⋯レコ、妙なマネはやめなさいよ? ちょっとでも妙なマネしたらすぐに両親を殺すからね? これはジェイコブ様の言葉だから軽く見ないことね」
「⋯⋯」
もう後には戻れない。誰かに助けを請うこともできない。
そんな深い絶望の中、レコは⋯⋯⋯⋯一つの『覚悟』を決めた。
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