第129話129「脅威と初任務」

【告知】

第7回カクヨムWeb小説コンテスト】中間選考突破しました。

ひゃっほい!


近況ノート

「【第7回カクヨムWeb小説コンテスト】中間選考突破したった!」

https://kakuyomu.jp/users/mitsuzo_44/news/16816927861644478688


【新作はじめました】

「異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861126765264



********************



「では、ここから話す内容は君たちがこれから受ける『任務』に関係するものであり、国の最重要機密事項トップ・シークレットとなる。よって、これからの話はすべて他言無用とする⋯⋯よいな?」

「「「「「は、はい⋯⋯っ!!!!(ごくり)」」」」」


 俺も含めて、皆が学園長の言葉に緊張のギアがさらに一段階・・・・・・上がる。


「今回の任務は⋯⋯⋯⋯ある対象者・・・・・の捕獲または討伐じゃ」

「対象者?」

「今回の対象者は⋯⋯⋯⋯『大規模な洗脳魔法を使う者』じゃ」

「「「「「せ、洗脳⋯⋯魔法⋯⋯っ!?」」」」」


 初めて聞く魔法だ。しかも『洗脳』って⋯⋯。


「洗脳魔法⋯⋯といっても、実際そのような名称の魔法かどうかはわからぬ、というところが実情じゃ。そして、それだけ厄介な任務とも言える」

「え? そうなの?」

「うむ。敵⋯⋯この対象者がそもそも何者かもよくわかっておらん。ただ、この国で何か『きな臭い』ことをしていることは確かでな。その一つがこの『大規模洗脳魔法』じゃ。この洗脳魔法のせいで『ある者たちの存在』がクラリオン王国内の王国民の中から消え去ってしまっておる」

「え? 何それ?」

「さらに、その者たちは『王国内の歴史書』にも記録が残されていない」

「はぁ〜っ?! そ、そんな大規模な『虚偽の情報』を国レベルで操作されているってことですか?!」

「そうじゃ。始まりは『五大国大戦』終結後である十五年前くらいから始まっていると思われる」

「そ、そんな前から⋯⋯」

「もちろん、これまでもワシやラディット国王も犯人探しをしているが、一向に尻尾さえ掴めぬままじゃ」

「そ、そんな⋯⋯学園長や国王様が動いても尻尾さえ掴めないだなんて⋯⋯」

「そんな相手を、俺たち⋯⋯『学園騎士団』で捕縛または討伐するんですか?!」


 生徒からは不安の声が上がる。当然だ。二大曲者・・・・である学園長とラディット国王でも尻尾を掴めない相手を、俺たちが捕縛・討伐なんて無理ゲーでしかない。


「ちなみに、なぜお前たちにこんな『難解な任務』を与えるのかというのは⋯⋯⋯⋯カイト・シュタイナーに関係しているからだ」

「え? 俺?」

「この大規模洗脳魔法を使って、王国民の記憶から存在を消し去っている人物⋯⋯。それは、かつて『五大国大戦』で英雄級の活躍をし、他国からクラリオン王国を死守した『ベクター・シュタイナー』『ジェーン・シュタイナー』⋯⋯⋯⋯つまり、カイトの両親じゃ」

「「「「「えええええええええええっ!!!!!!!!!」」」」」


 学園長の言葉に俺も含めた皆が驚きの声を上げる。


「そ、それは、おかしくないですか!? お、俺は、ベクター・シュタイナー様やジェーン・シュタイナー様のことはちゃんと記憶にありますし、忘れたことなど一度もありません!」


 そう、激しく声を上げたのは⋯⋯⋯⋯カート・マロン。


 カートは『騎士団オタク』で有名で、その中でも『五大国大戦時代の騎士団オタク』らしい。


 そして、その中で特にファンなのが俺の両親だと⋯⋯大会が終わった後、しつこいくらいに聞かされたのを俺は思い出した。


「うむ。そこがこの大規模洗脳魔法の厄介なところでな。どうやら調べていくと、この大規模洗脳魔法は『効果範囲こそ広いが、そこまで強力なものではない』ということがわかった。じゃから、カート君のような『二人のことが常に頭にある者』であれば、その者の記憶から消え去ることはない。なので、ワシや他の二人と近い者たちの記憶にはちゃんと残っておる」


 なるほど。


 確かに、学園長や騎士団長のアルフレッドさんは覚えていたな。


「ただし、そのようなあいまいな洗脳効果・・・・・・・・・じゃからこそ、かえって気づく・・・のが遅れた。そして、そのあいまいな効果のおかげで、これまで人々に怪しまれることが一度もなかったのじゃ」


 何となくだが、俺は学園長が言っていることがわかった。『しっかりした効果』よりも『あいまいな効果』のほうが、じわりじわりとゆっくり浸透していく⋯⋯そんな感じだろう。


 はっきりとした効果じゃないからこそ、気づきにくいし、見つかりにくい。


 そう考えると、この大規模洗脳魔法を使役している人物は⋯⋯⋯⋯『相当な切れ者・・・・・・』であることは間違いないだろうな。


「そ、それでしたら⋯⋯⋯⋯いくら、カイトの両親が関係しているものとはいえ、尚更、私たち学生では、あまりに困難な任務ではないでしょうか!?」


 レイアが学園長に進言する。みんなも同じことを思っているようで『うんうん』と頷いている。しかし、


「話はまだ終わっておらんぞ、レイア・クラリオンよ? この任務を君たちにやってもらう理由でカイト・シュタイナーが関係しているというのは何も⋯⋯⋯⋯『両親が関係しているから』だけではない」

「え?」

「カイト君。君、この洗脳魔法⋯⋯⋯⋯どうにかできない?」

「へ?」


 何を言っているんだ、このおっさんは?


「どう⋯⋯とは?」

「カイト君に望んでいるのは大まかに言うと3つじゃ。1つは⋯⋯」


 そう言って、学園長おっさんがいくつか要求してきた。

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