第27話027「再会と説教と」
<<一回生のカイト・シュタイナー君。一回生のカイト・シュタイナー君。入学式が終わったらすぐに学園長室へ来てください。繰り返します。一回生のカイト・シュタイナー君、入学式が終わったら⋯⋯>>
へ? なんで?
ざわ⋯⋯ざわざわざわざわざわ⋯⋯ざっわー!!!!
周囲の一回生が、俺を見ながらカ○ジのモブ並みにざわつく。
舐めプな態度で油断したらこれかよー!!!!
俺は下を向きながら、全力でその場を後にした。
*********************
——『学園長室』
「し、失礼します。カイト・シュタイナーです」
「入りたまえ」
扉を開けると、そこには⋯⋯、
「よー、久しぶりだな⋯⋯カイト少年」
クラリオン騎士団の騎士団長アルフレッド・ヴェントレー。そして、
「カイトっ!!!!!」
「レコっ!」
レコ・キャスヴェリーが出迎えてくれた。
「こーら。私は教師だぞ。レコ・キャスヴェリー先生と呼びたまえっ!」
と、レコはドヤ顔で無い胸を張って⋯⋯て、あれ? む、胸が⋯⋯ある、だとっ!!!!
レコは俺の心の声を察したのか⋯⋯さらにドヤ顔をして双丘を主張する。
こ、こいつ〜⋯⋯!!!!(いいぞ、もっとやれ)
「おお、君が例の⋯⋯ベクターの息子、カイト・シュタイナーじゃな?」
「は、はい。初めまして!」
すると、学園長のハンニバル・シーザーが声をかけてきた。
「うむ。素直な良い子じゃないか、アルフレッド君」
「⋯⋯え、ええ」
「⋯⋯そう⋯⋯ですね」
「?」
学園長の言葉にアルフレッドとレコが微妙な反応を示す。な、なんだ⋯⋯一体?
「それにしても、こんな子が本当に⋯⋯
「まあ、おそらく⋯⋯」
「ほぼ、間違いないかと⋯⋯」
「??」
え? なになに? 俺なんかやった? まだ入学初日でホームルームさえ参加していないんですけど?
「カイト少年⋯⋯」
「はい?」
「グラン・キャンバス大渓谷⋯⋯と聞いて思い当たるフシは?」
「グラン⋯⋯キャンバス⋯⋯?」
はて? 何か聞いたことのあるような?
「カイト⋯⋯」
「なに?」
「超級魔法
はて? 何か聞いたことのあるような?
「「はて? 何か聞いたことのあるような?⋯⋯⋯⋯じゃないっ!!!!」」
おおっと! どうやら心の声がダダ漏れだったようだ。
********************
「はぁぁぁぁぁぁ〜⋯⋯やっぱりそうだったかぁぁぁぁぁ!!!!」
「ほら〜⋯⋯だから言ったじゃないですかぁぁぁ〜〜〜! あれは絶対カイトの仕業ですって!!!!」
「あい、とぅいまてん」
二人の話によると約一週間前、グラン・キャンバス大渓谷にて大規模な爆発音と地震が観測されたということで騎士団に緊張が走る。
さらに最悪なことに、それを国王に報告すると事の重大さに鑑み、騎士団及び王族、上級、下級貴族に『緊急事態令』を発令。騎士団の調査結果次第では戦時となる可能性を言及。
調査をすると、どうやら「いろいろな魔法を撃った形跡がある」ということがわかった。なので、
しかし、さらに調査を進めると今度は多くのクレーターの形跡を見て「超級魔法
その調査報告を受けたレコとアルフレッドがピンときて、お互いの青ざめた顔を見合わせる。
「もしかして⋯⋯君も
「は、はい⋯⋯。偶然にも⋯⋯団長の頭に浮かんだ
ということで、アルフレッドが何とかして捻り出した
どうやら、俺の知らないところで中々の
いや〜、くわい、くわい。
「くわい、くわい⋯⋯じゃないっ! カイト少年! お前は一体何をやってるんだ!!!!」
「そうよ! あの時話してたでしょ! この『力』は隠しておけって!!!!」
おっと、またもや『心の声』が漏れてましたか。
「ちょ、ちょ、タイム。タイム。い、いいの⋯⋯?」
「「何が!!!!」」
「いや、その⋯⋯学園長⋯⋯が⋯⋯」
そう。この話は俺たち家族とこの二人以外は知らない話⋯⋯知ってはいけない話⋯⋯のはず。なのに、学園長の目の前で堂々と二人は俺に問い詰めている。これってかなりマズイのでは?
「ああ、大丈夫じゃ。ワシも一枚噛んどる⋯⋯」
「なんと!」
このじじい⋯⋯おっと、学園長もまさかの
「ああ。ちなみに
「ええぇぇぇぇぇっ?! ラ、ラディット⋯⋯国王っ!!!!!!!」
ま、まさか!!!! ここで、クラリオン王国の国王の名前が出るなんてっ!?
俺の想像以上に異世界チート展開が加速してる?
「当たり前でしょ! ラディット国王が私たちの仲間じゃなかったら、あんたなんてとっくに騎士団にしょっ引かれてるわよ、馬鹿っ!!!!」
この後、メチャクチャ搾られたった。
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