第三十八の論争 イチャラブだねよかったね
ぼへーっとしている彼女の横顔を見て彼はいたずら心が芽生える。
ときたま彼は彼女の横顔を見て絵画と例えることがあるが今日は違った、
半開きになった彼女の口はまぬけさを表現するのにもってこいの材料なのだ。
彼は彼とて先日彼女にガチ泣きされたというのに何も変わっていない、本当に反省してるのかわかったもんじゃない。
いま…こいつをいきなりべた褒めしたら…こいつのことだから何か勘ぐるんじゃないか…?
そうだ…!もし勘ぐったら俺を信じられないのかってことで攻めるかーw
今回は裏もないしこいつも褒められて誰も傷つかない優しいいたずらだしな。
「おいアホ!」
「うぅ…いままでで一番ひどい呼ばれ方だよぅ…」
「おめーさ…少しは自重しろよッ!!!いい加減俺も限界なんだよ!!!」
「えっ…なに…なになになに…!?」
「気づいてネェのか…?あぁん?」
「ひ…ひぃ~…ご、ごめんなさい~…」
「俺も我慢の限界だ!!いい加減にしろ!」
「ひぃぃ~…」
「くそっ!どうしてそんなにかわいいんだよ!」
「ごめんなさい…ごめんなさい…え?」
「だ!か!ら!オメーのすべてがかわいいんだよ!」
「ふ、ふぇぇぇ~…」
「自重しろ!俺はいつもオメーを好きな気持ちを押し殺して堪えてるんだ!」
「それなのに・・・ああ、クソ!そのキョトンとしたまぬけ面もかわいい!!」
「俺しかいないのに俺に少しでもかわいいように見せようとネイルとかヘアセットとかもぴっちりしておしゃれしてるのも…
その努力をやめないひたむきな無償の愛がかわいい!!」
「たまに見せる部屋着も…さりげなく見せてるがしっかり考えておしゃれコーデしてるのも…くそっ…どこまで俺をたぶらかせば気が済むんだ!!」
「オメーのそのひたむきで純粋でかわいくて努力家なとこが本当に…本当に大好きなんだ!」
(よしよし…そろそろ疑うか?どんなアクションをしてくれるかな~?)
「…もう、やめっ…」
少し長い袖で口元を隠し照れて彼をまっすぐに見れない彼女はぎこちなくそういった。
そんなほんのり涙目になり恥ずかしがるも口元がわずかににやける彼女の顔は彼が予測していた事象をはるかに凌駕するかわいさであった。
「・・・」
(や、やべェ…これは困ったぞ…いつもはコイツの顔を曇らせることしか考えないのに…この…えがお…)
(守りたい…!!)
「うぅ…もう…ば、ばかぁぁ…」
彼女は彼の胸に飛び込み顔をうずめまるでベアハグに間違えられるような力強いハグをかました。
そのハグは彼女の独占力や不安等々が混ざっているゆえの強さかもしれない。
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