第十八の論争 中学時代

とある中学校で学校創立して以来指折りの問題児に教師は頭を悩ませていた。

その少年は入学した当初は本性を隠していたが受験する学校が余裕ということを悟りこれ以上ないほどに好き勝手していた。

「ほら…起きて…授業中だよ…?」

今の彼女と比べ明らかに胸もおなかもない中学三年生の彼女が幼馴染の肩を揺らす。

「おい…起こすな…寝ているほうが授業は平和だ」

先生はとんでもない注意をし眠れる巨人に手を出さないようにしていた。

彼は髪を右側に分けすこし…いやかなり整った顔を髪の隙間からのぞかせていた。

腕まくりをし鍛え上げたのか日常で鍛ったのかがっしりとした前腕に頭をのせて寝ていた。

「問題児にまた授業中に優雅にコーヒーを飲まれたらかなわん…」

彼は黙って寝て居ればかっこいいのだが奇行にパラメーターがふり切れているため先生からしたら目の上のたんこぶだった。

「誰が問題児だって?」

「ひぃぃ…」

「人がすっかり気持ちよく寝てやってんのに起こしやがってよぉ…」

「ほら、しっかりして!君のノートも取っておいてあげたからさ!」

「あ…ありがとう…」

(怒りずれぇ…)

「ほら、これが前回のプリントだよ!」

彼女は自分のファイルから彼のぐちゃぐちゃになったプリントを取り出す。

「あぁ…すまないな…いつもありがとう…」

クラス一同(((さすが新婚夫婦…)))

「そんなにこいつに頼ってばかりじゃ…これから大変だぞ?」

「うるせぇな…人生ってのはなるようになるし、ならないようにしかなんねえんだよ…いつから俺専属の教師になったんだ?進めろ」

「偉そうに…」

彼は先生が黒板に向き直った隙に電化製品を取り出し準備を始めるが、先生に見つかり。

「授業中にコーヒーを入れるな」

「コーヒーじゃねえんだキャラメルマキアートだ俺コーヒー飲めねーんだよ」

「仕方ねえな…じゃあ…」

「授業中に卓球をするな」

「さすが…三年も俺の授業してたら先が読めるか?」

「しまって授業を聞け」

「あいあい」

「それで、x軸が…」

「・・・・・」

「おいてめー髪切った?」

「うんん切ってないよ、でもいつもと結び方を変えたの」

彼は集中力が切れたのか隣の女子に話しかける。

今回は自己ベストの4秒だった。

「なるほどね…いつもとは雰囲気がなにやら違ってな」

「よくわかったね、いつも私のこと見てるの?」

「そういうことじゃないが…そっちのが似合うぜ?」

「ほんと?ありがとう!」

彼の前の席にすわる幼馴染から『バキッィィ!!』っとペンを粉々に握りつぶした音が聞こえる。

「静かにして…ね?」

彼女は彼のほうに振り向き彼の足をカカトで踏み砕いた。

「うぎゃぁぁぁ!!!!」

「うるせェェェェェェェ!」

結局授業は何も進まなかった。

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