それでも、まだ

朝四時

誰にも届かない号哭の先に

あの時泣き伏した夜があった

帰ってきたくない場所なのに

結局帰ってきてしまった


何十万という文字を重ねてきた

きっといつか嫌いな自分が変われる日が来ると

そう信じて疑わなかった

もう何度目のあの日のスタートライン


そうした日々の未来に今立って

初めて見た景色もあった

遠くまで来たなと思う時もあったが

辿り着いたのはいつかのここだった


「人は変われる」とはよく言うが

そんな簡単に変われるわけじゃなかった

言葉を積み重ねたって僕は僕で

良いも悪いも引きずってきた僕は変わらなかった


「もう無理かもな」

そんな言葉が頭を過る

そう思うのも何度目だ

変われない自分に嫌気が差すのも何度目だ


自棄になったって仕方がない

「それなら明日のために」も何度も言った

その自分の言葉を信じて歩き続けてきた

それで辿り着いたのがここって訳か


相変わらず自分の言う事は当てにならねえ

そういう僕を嫌う人間は真っ当だ

どうせ大切な人すら守れない命だ

好き勝手に言って消えていけ


行き場のない恨み辛みを書き並べて

誰が悪いでもない怒りをこの駄文に

こんな光景も何度目だ

僕以外誰も居ない朝方SA

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