妻に電話!
2日目の日曜日は、朝方コンビニに出かけたことを除き、安田はマンションを出ることはなかった。
夜10時を回り、我々は一旦ホテルに引き上げることにした。
明日は月曜日。安田は台湾に進出している日本の外食チェーンのビジネスマンだ。
おそらく8時過ぎには出社するだろう。
安田の勤務先は中山から一駅、松山新店線の松江南京駅の近くだった。
我々はホテルに帰ると、明朝6時過ぎに部屋の前で会う約束をし、各々の部屋に入った。
シャワーを浴び、ポテトチップスをつまんだ。
こんな遅い時間にポテトチップスを食べていると、冬美にいつも怒られていたので、少しだけにとどめることにした。
23時を過ぎていたが、日本にいる冬実にメールをした。
すぐに冬美から折り返し電話があった。
「まだ起きてたんだ。どう?変わりない?」
私は聞いた。
「変わりないよ。そっちはどう?
忙しい?」
「忙しいよ。なかなか宿泊しているホテルに戻れないんだ。
今やっと戻ることができて眠るところだよ。
でも探偵をしているって感じでとても充実しているよ。」
私はポテトチップスを食べていることを気づかれないように音を立てずに慎重に話した。
「パートナーの田中さんだっけ?
彼女は元気?」
冬美が聞いた。
「元気だよ。田中さんとは昨日の夜からずっと車の中で張り込んでいたんだ。
もうくたくただよ。」
私は言った。
「まぁそれは大変ね。
私も台湾に行こーかなー」
冬美が口を尖らせている姿が頭に浮かんだ。
「明日も早いから、もう寝るね。
」
私は言った。
「おやすみなさい。
くれぐれも気をつけてね。」
私は変な汗をかきながら、ポテトチップスの最後の一枚を口の中に放り込んだ。
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