第14話 UNカップ 7

「菜璃はまだ寝てるか……」

菜璃がまた我が家に泊まりに来てから2日目。UNカップ本番が刻一刻と迫ってきていているがそれは置いておいて。

「慣れるもんだなぁ〜」

ほんの一週間前に付き合い始め、同棲生活を今まで送ってきたが今では菜璃が居るのを一切不思議に思わなくなっている。逆に安心感すらある。人間は異常な事が3日も続ければなれる生物なのだ。まぁ、昔毎日6キロ走る部活に入ってた時もなんやかんや慣れるの早かったからなぁ〜と少し遠い目をしていると菜璃の目が開く。

「おはよ」

「はい、おはよう」

そう返すと彼女はすぐに布団に隠れる。

「えっと、対面拒絶?」

「いや、なんか幸せすぎて恥ずかしくなった」

「……」

あーこの彼女様はなんてことを言い出すのか。俺まで恥ずかしいんですけど……顔真っ赤になったんですけど!!

「はぁ……えっと、今日も飯俺?」

「吾実家暮らし……いや、私が作ろう」

「はいはい。は?菜璃料理できるの?」

俺はびっくりし過ぎて聞き返してしまう。

「出来るに決まってんじゃん。これでも長女なの。ママから料理くらい教わってるっての」

「じゃあなんで今まで俺に作らせてたの?」

「……料理ってめんどいし、一人暮らししてるから慣れてるだろうなぁ〜って」

「まぁ、慣れてるけどさ。マジで作れるの?」

「これでも家族にはめちゃくちゃ褒められてる」

「それって気を使われて……いや、俺も菜璃の料理食べたいからお願いするわ。朝だけどいける?」

「大丈夫」

そう言って彼女はベットから出る。

彼女の髪はボサボサでまだ眠そうだったが大丈夫だろうか。俺はなんか他人が居ると変にスイッチ入って寝ぼける事が少ないんだが菜璃は普通に実家暮らしなり〜とか言う人だもんな。やばいな、マジで心配になってきた。

俺はすぐにベットから起きて菜璃の後を追った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「どうだった?」

「めちゃくちゃ美味しかったです」

「ふふっ。これでも料理くらい出来るのだよ。面倒くさいからやらないけどね」

内の彼女様は大変機嫌が良くなったのか嬉しそうに言う。俺はなぜかその嬉しそうな、いや、調子に乗った菜璃が許せなくなり仕返しをした。

「菜璃の事がまた好きになりました。これからもよろしくお願いします」

「空愛ってよくそんな事軽く言えるよね……」

こちとら、その面倒な事を毎日やっとんじゃ。まぁ、本心だから許して……。

「まぁ、本心だから許してくださいな。てか、ガチで俺今日コーチング行くけど大丈夫?」

「ん?コスプレガールズのやつ」

「それ」

「一応配信するんだよね?」

「まぁ、視聴者の好感度アップが目的だし」

「あれガチで言ってたのね……まぁ、良いよ。私隣りにいるの許してくれるならだけど」

「あーまた隣で動画見てるんですね。そしてたまに俺で遊ぶと」

「うん」

うん!?この人には何も通じないのか?いや、開き直ってるだけか。いや、でも俺に抱きつくのはやめてほしいな。あれのせいでコスプレガールズに1ラウンド取られたし……そして、コメントでもAkuqの画面急に上にブレたんだがとか言ってる人いたからな。

「急にだき……いや、いいや。昨日みたいに静かなら全然良いよ」

「分かった。静かにしとく」

なんというか俺たちは本当に付き合ってるのか?いや、全ては殆どデートにも行かずに色々やって仕事を入れた俺が悪いのか。てか、この人俺のことどう思ってるんだ?また酒に頼るか?いや、別にいいや。夜に散々……ゴホッゴホッ。急に殺気が飛んできた。あっ、早く準備しろと了解。俺は菜璃の視線にやられてコーチングの準備をした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

Yuki『昨日、私達をボコボコにした張本人。世界大会MVPAkuq君です』

Akuq『どうも〜元UN所属、今は大学生Akuqです。今日は昨日の償いをしに来ました。なんでも聞いてくださ〜い』


コメント

『歳的には大学生なのか』

『Akuqって頭良いのね』

『Yukiさんの煽り半端ないな』

『それに一切動じないAkuqも強い』

『この人は散々身内で醜い争いしてるから……』

『Akuqなんて言うか……声色高い?』

『やめろ、緊張してるんだろ。UNメンバーって殆ど陰キャなんだそ!!』

『Akuqの声を毎日聞ける幸せ』

『今ではAkuqがずっと居たみたいな感じで受け入れられてるからな』

『インタビュー動画の再生回数やばいんだが』



Akuq『そういえば、今日普通に呼ばれましたけどなんで初対面の時からNG判定食らってたんですか?』

Yuki『あぁ……なんていうか、傷つかないで聞いてね』

Akuq『あっ、はい』

Yuki『Akuqくんの笑顔が……あの、なんていうのかな、ヤバかったの』

Akuq『オケーストップ』

Rumi『やばいカメラマンの笑顔と一緒だったんだよね……』

俺は心に大ダメージを受けた。まさかそんな理由だったとは……てか、NG食らってる時点で俺に悪い所があったんだよね。何故聞こうと思ったんやろ……。

Akuq『よし、今日もう帰っていいですかね?先輩風と昨日やりすぎたなと思ってきましたけどロケラン打たれてノックダウンですわ。よし、帰ろう』

Yuki『待って待って待て待て。もう、もう大丈夫だから。世界一取った時にはみんな貴方のファンだから』

Rumi『Akuq、ストップ。もしあれなら私が相手する』

他『え!?』

Akuq『いや、ちょっと待ってください。俺やばいです。大火事が起こるんでやめてください。てか、横からめちゃくちゃ殺気感じるんでホントにそういうのやめてください』

Fagu『横から殺気?』

Akuq『あっ、いや、コメ欄からの殺気?』


コメント

『Akuqさぁ……』

『ヤバいカメラマンと一緒の笑顔ww』

『カメラマンの笑顔が良すぎたのかAkuqの笑顔がキモかったのか』

『Akuqww』

『ルミルミ!?』

『あれ、ルミルミもう……』

『いや、決勝勝った時の涙流しながらの笑顔は惚れるで』

『Akuq全力拒否ww』

『身の危険を感じたんだろうな』

『なんやかんやコスプレガールズにはガチ恋勢居るんで……』

『Akuq、横からの殺気???』

『お前まさか……』


Kagurq『あ、あの、Akuqさん。横からの殺気って……』

俺は迷った。ここで菜璃の事を言っていいのかと。ふと横を見るとなにか携帯に文字を打っている菜璃の姿。するとすぐに菜璃からメッセージが届く。内容は『言えば?アイドルじゃないでしょ?』と言えという命令。俺はそれを見てすぐにこう切り出した。

Akuq『そうですね……まぁ、いずれバレると言うか。俺ほぼ一般人として暮らしてたんであの〜その。うん。彼女できました。横から監視というか、俺の仕事姿?を見てます』

コスプレガールズ『え"ぇ"ぇ"ーー』


コメント

『はぁぁぁ!?』

『お前マジか』

『いや、彼女くらいいると思ってたけどはぁ!?』

『この裏切り者ぉぉぉ!!』

『くそ、俺にAkuqほどのスペックと実績があれば……』

『マジかよ』


Yuki『私の財布がァァァァァァー』

Akuq『俺あんたと初回以外あった事ねぇだろうが……』

Rumi『ふぇ!?ま、まぁ、彼女くらい居る有名人いるし……』

Kagurq『Akuqさんに彼女……』

Yayui『流石、世界大会MVPですね〜』

Fagu『(ΦωΦ)ホウホウ……はぁ?』

Akuq『あの、皆さん驚きすぎでは?これでも一応大学生ですよ?ありがたいことにお付き合いしている方が居ます』

Yuki『まぁ、スペックだけ見たらね……いつから付き合ってるの?』

Akuq『ノーコメントで』

Rumi『告白はどっちから??』

Akuq『ノーコメントで』

Kagurq『彼女さんの歳は?』

Akuq『同じ歳ですね』

Yuki『相手の人はどんな人?』

Akuq『どんな人?えー横からオッケー出たので言いますけど顔はめちゃくちゃ可愛くて言動が面白くて自分の事お姉さんって言ってる人ですね。あと、猫みたいな人です』

他『(ΦωΦ)ホウホウ』

Yuki『ちょっと質問。Akuqくん的に私って美人?』

Akuq『え?まぁ、そうだと思いますけど……』

Rumi『私は?』

Akuq『美人じゃないですか?』

Fagu『私は?』

Akuq『美人?ただ、可愛い係』

Yayoi『私はどうですか?』

Akuq『めちゃくちゃ美人だと思いますけど……』

Kagurq『わ、私はどうですか?』

Akuq『かわいいんじゃないですか?』

『………』

Akuq『ちょっ、無言はやめて!!』


コメント

『Akuq……お前いい人と……(泣)』

『やべぇな、Akuqの彼女の話聞くと涙出てくる』

『親父の気分かな……これ』

『てか、Akuqはなんていうか……』

『陰キャだから遊ばれとる』

『女子は恋バナ好きだよなぁ〜』

『Akuqはブス専ではないと……』

『本当に可愛い人と付き合えてるんだろうなぁ〜』

『今の時間横にいるって同棲?』

『ガタッ』


Akuq『あの、マジで無言やめていただけると……』

Yuki『あーごめんごめん。ちょっとイケメンに可愛いって言われて嬉しくなってたわ』

Akuq『そうですか……』

Yuki『ちょっとコメントで気になったんだけど同棲中?』

Akuq『えーえ!?あっ、えーとですね。彼女から婚約済み……いや、いいや。同棲中です。はい。てか、コーチングしましょ、コーチング』

Kagurq『婚約……』

Rumi『Akuqは面白い』

Akuq『え?ありがとうございます。じゃあ、聞きたいこと何でも聞いてください』

Kagurq『なんで今回のUNカップに参加を決意したんですか?』

Akuq『え?まぁ、ガチで話しますけど彼女出来て手に職が欲しくてMickeyに相談したらこのUNカップに出るのが条件で教えてくれると言ったのでそれですかね。あと、普通にまた視聴者の皆さんと会いたかったてのもありますかね』


コメント

『Akuq(泣)』

『まだ若いのに良い考えをお持ちで……』

『これ、ガチでAkuq復活あるぞ』

『マジでこれからが楽しみだな』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

Yuki『教えてもらったことに気をつけて今日のカスタム頑張る!!Akuqくんありがとう』

Rumi『また呼ぶから頼む』

Yayoi『ありがとう〜』

Fagu『めちゃくちゃ為になった!!』

Kagurq『Akuqさんに教えてもらったこと絶対忘れません!!ありがとうございました!!』

Akuq『こっちこそ、お疲れさまでした』


コメント

『めちゃくちゃ為になったわ』

『流石は世界大会MVP』

『これはまたAkuqの株があがるわ』

『今日のコスプレガールズのカスタムが楽しみで仕方ない』

『なんていうか……ここまでの事教えてくれてええんか?』

『Sakura並にキャラについて詳しいんだが……』

『モクの出すタイミング、置く場所とかだけでもめちゃくちゃ為になったわ』

『ラッシュの仕方まで教えてくれたもんな』

『人数不利の戦い方も教えてくれたし……』

『これ、ホントに凄いぞ。アーカイブ消えないかな?』



俺はどうにかコスプレガールズにコーチングを終えて横を見る。すると普通にこちらを向いている菜璃の姿。

「お疲れ様」

「あっ、お疲れ様。えっと……なんもないの?」

「ん?コーチングお疲れ様」

「あっ、はい」

俺は菜璃からコスプレガールズにデレデレしすぎだとか、長いとか、色々言われると思ったが普通にお疲れ様と言われただけだった。

「あの、デレデレしすぎーとか言わないの?」

「だって、普通にコーチングしてたじゃん。あと、最初で彼女います宣言してくれたし……」

「まぁ、そうだけど……」

「え?空愛M?」

「いえ、どちらかと言うとSって何言わせとんじゃ!!まぁ、了解。俺が考えすぎてたわ。また少ししたらカスタム始まるからそれまでイチャコラしよう」

「恥ずかしくないの?」

「……言葉が思いつかなかったんだよ」

「空愛は可愛いねぇ〜」

「急にマウント取るのやめてくれないですかね……」

「空愛は私と何したいんだって〜??」

「よし、仮眠とるか。色々あって寝れてないし」

「あっ、逃げた!!私も一緒に寝る」

「菜璃まで寝たら俺確実にカスタム遅れる気が……まぁ、1日くらいいっか」

俺は甘く見積もりカスタムに遅れる事になるのだがそれはまた別の話。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

軽い人物紹介


UNコスプレガールズ


Yuki 同人誌販売+コスプレ好き

26歳


Rumi 同人誌販売+コスプレ好き

23歳、空愛と同じ歳、ショタ好き


Yayoi 同人誌販売+コスプレ好き

24歳、和系好き


Fagu 同人誌販売+大学3年+コスプレ好き

22歳、金髪、ハーフだが日本育ち日本生まれ


Kagurq 大学2年+コスプレ好き

20歳、ゲーム好きでYukiと仲良くなる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る