第7.5話 勉強会(桃井 愛視点)
今日は,日曜日.数学の勉強会をするため友人の家に来ていた.朝倉君に,負けるとは……悔しい.まあ,今,勉強しているのは,友人二人で私は,いきなり来た少し怪しいメールに返答している.でも,大丈夫だとは思う.
「桃井さん,桃井さん.この問題教えてくれませんか.」
一緒に勉強をしている国崎さんが,そう言って机に突っ伏していた.高校1年生の時に出来た友達で,私の事をいつも褒めてくれる.少し恥ずかしいからやめて欲しいけど,良い人だと思う.
私が返答する前にもう一人の友人の尾根崎さんが
「そのぐらい,自分で解けるでしょ.桃井さんの迷惑になるから.」
そう,強めの口調で返答していた.しっかりしていて,少し何を考えてるか分からないところもあるけど,いろいろ助けてくれる良い人だと思う.
「尾根崎さんだって,聞いたりしてたじゃん.」
「それは,難しい問題だからでしょ.基礎問題ぐらいで聞かないで自分で考えなさいよ.それに,桃井さん,今,携帯で何か作業してるでしょ.」
尾根崎さんは,そう言って,こっちをチラッと見てきた.二人の会話に何となく入れなかったが,良いタイミングが巡ってきた.
「大丈夫ですよ.連絡終わったので,どこの問題ですか?私に分かるなら.」
「ありがとうございます.ほら桃井さん優しいでしょ.それで,その,どなたからの連絡だったんですか?あの,最近隣になった奴ですか.」
朝倉君の評価は何でこんなに低いのだろうか…….いや,国崎さんは,結構いつもこんな感じかも.でも,朝倉くんからの連絡じゃない.絶対に連絡してこないでしょ,朝倉君.やっぱり強引に話しかけ過ぎたかもしれないな,もう引けないし.
連絡をして来たのは,朝倉君の妹さんだ.多分本物だと思う.なんて言おう.
「朝倉くんじゃないです.……妹の友達が,ああ,えっと.」
「ああ,妹さんへのサプライズの打ち合わせとかですか?流石です,桃井さん.」
国崎さんが,何か,勘違いしてくれた.
「あっ.ええ,まあ.」
申し訳ないけど,ここで,朝倉君の妹さんって言ったら国崎さん,めちゃくちゃ心配してきそうだしな.
「優しいですね.流石です,桃井さん.」
罪悪感が凄いな.
「そんな事は,それより問題解きましょう.どの問題が分からないんですか.」
話を変えて,罪悪感から逃れることにした.
「それは,ですね.」
「すいません,桃井さん,ちょっと私も,携帯で連絡しても」
国崎さんの言葉を遮り,尾根崎さんが,そんな確認をして来た.そんなこと聞かなくて良いのにな.
「大丈夫ですよ.尾根崎さん,ただの勉強会ですし,そこまで気を使わなくても」
「「気は使いますよ.なんて言ったて,桃井さんですから.」」
二人の声が重なっていた.友達か…….
「ああ,うん.ありがとうね.」
難しいな,友達って.
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あとがき
桃井さんはヒロインだけど主人公の一人でもあるかなって思ったのでこう言う話を書くかもです
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