第9話 やはりクソ雑魚。大好き/大好き
「は~い。力を抜いてくださいね、お兄様。男の人は女の子の魅力に勝てないんですよ? えっちしたら、よわよわ下半身で負けるしかないんです」
「アタシたちがたっぷりと、わからせてア・ゲ・ル。緊張しないでいいんだよ~? ついにっ、ついに陸翔とっ。一緒にイケたらいいなっ」
気がつけば、俺はベッドの上に仰向けに寝かせられていた。俺の顔を、横に腰かけた2人が満足げにのぞき込む。
セチアとクロユリの金色の瞳が、こちらの思考をクラクラとまとまらなくさせる怪しげな光を灯していた。それを見た俺は、2人に逆らうことができずに命令通りにベッドに横たわったのだ。
「ゆっくり、ゆっくり堕ちていってください……怖くないですよ……私の目を見ると、思考がだんだんぼやけてくる……」
「サキュバスに従うと、とっても気持ちよくなれるんだよ……ゆ~っくりと、何も考えられなくなっていこうね……」
「あ、あぇ……ぉ……」
2人の視線が俺の目の中に入り込み、どんどん頭がぼーっとしていく。
やめろと言いたいが、
逆に下半身は痛いくらいにいきり立っているのを感じる。頭は何も考えられなくなり、ただ下半身のみで感じることになるのだろう。
助けを呼べない、誰も助けに来てくれない。俺は窮地に立たされていた。
「お兄様は、私達とえっちなことがしたい。そうですよね? 私達を使って、とっても気持ちよくなりたいですよね? くすくす」
「うぁ……」
「陸翔はだんだん正直になっていく。アタシ達の体の、どこで責められたいかなぁ? お口? おっぱい? それとも……ふふふっ」
「ぉ、ぁ……」
まずい……もう何も、考えられなくなってきた……。2人の言うとおりにすることが心地いい……。
「もう我慢できないっ。お兄様、いただきますっ。楽にしてあげます」
「クロユリと一緒なのは
セチアとクロユリは俺のズボンに手をかける。カチャカチャとベルトの留め金を外し、ゆっくりとずり下げた。アレが立ったシルエットをこれでもかと示さんばかりのパンツが露出する。
ついにここまでか、俺はとうとう犯罪者かという瀬戸際――。
ぷしゅううううううううう!!
俺の大きくなったアレの形をはっきりと認識したためか、2人とも顔を真っ赤にして停止した。え? どういうこと?
頭から湯気出てんぞ。どうなってんの? あまりのクソ雑魚さに、俺の思考はロケットが発射するみたいに正気に戻ってきた。
ここぞという時になって、セチアとクロユリは顔真っ赤にしてダウン。
「お、大きすぎますっ。こんなのっ、無理ですっ」
「ややややっ、ヤバいっ。ドキドキしすぎて無理っ」
2人はこれ以上ないくらい動揺しているようだ。手を握り合い震えて、俺の股間を凝視している。
恋愛クソ雑魚じゃねーか。なんでここまでできて、その後のことができないんだよ。いや、しなくていいんだけどさ。
あと、動けないのと喋れないのを解除してくれません? もしもーし? サキュバスのくせにいざという時に動けなくなるのかよ。お前らもうサキュバス辞めて普通の悪魔名乗った方がいいんじゃない?
そして、ずっと股間を見られて寝たまんまの俺。こっちも顔を熱くして動くことはできず、ベッドの上で3人していつまでも待機するという形になったのだった。
なにこの状態。誰か助けに来てくれません?
そのまま1時間か2時間経過しただろうか。俺は自然とまぶたを閉じ、眠りに入った。動けず喋れず暇なんだもん、しょうがないじゃん。
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