私のラビット君…

６０日目

〈ヒナノ視点〉

《２６歳の女性教諭が

　教え子である１７歳の男子生徒

　 に淫らな行為をした疑いがあるとみて・・》

朝の身支度を整えているとテレビから

聞こえてきたニュースに思わず手が止まった…

( ９歳差なんだ… )

私が２６歳の時にはラビット君も１７歳で

高校生だったんだと思うと少し怖く感じる…

今の私は２９歳で彼は…２０歳を超えていて

教師と教え子の関係でもないから

テレビの中の女性のように裁かれる事はない…

「・・・・９歳差… 」

そう呟いてから止まっていた手を動かしだして

出勤準備を終わらせてアパートを出た

駅に向かって歩きながらもさっきのニュースと

土曜日に健司から言われた言葉が頭の中で

何度もリピートされていて

あまり記憶がないまま会社へとついて

エレベーターに乗って自分のフロアへと

向かっている自分がいた…

エレベーターから降りて歩いていると

ポケットの中のスマホがブッと鳴り

ウサギからLINEが届いたんだろうと分かったが

ポケットからスマホを取り出す事はせず

そのままフロア内に入り自分の席へと座った

いつものコーヒーを煎れにも行かずに

PCの電源をつけてボーっとしていると

隣の桜PCの端にピンク色のあのウサギの付箋が

貼ってありその手前にあるペン立てにはウサギの

ボールペンが立ってあるのが目についた…

前に渡されたメモ付箋と顔が違っていて

桜のPCに貼られているのは

泣きそうな顔をしたウサギだった

( ・・・・ウサギ… )

私は直ぐにポケットからスマホを取り出して

ウサギの【おはよう】のメッセージに

返事をかえした…

送ったメッセージは直ぐに既読マークがつき

ウサギがLINE画面をひらいていて

返事を待っていたんだと分かり

「はぁー」とタメ息がでる…

( 傷つけたくはない… )

ｻｸﾗ「おはようございます！」

桜の声にスマホからパッと顔をあげて

スマホをうつ伏せにして机に置くと

「何見てたんです？」と問いかけてくる桜に

「ニュース見てた」と適当に答えると

ｻｸﾗ「あっ！朝のニュース見ました？？

　 ２６歳の女教師が１７歳の高校生と

　 付き合ってたっていうあのニュース！！」

「あぁ…見たかな… 」

ｻｸﾗ「未成年で生徒はまずいでしょ？」

「・・・・・」

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