37日目
今日は、藁のベッドがへたってきたため、生き物は、鎌を片手にザクザクと雑草を刈ることにした。
しっかり乾燥させればベッドの芯になってくれる筈だ。
キラキラと輝く光の泡を抜けて少し薄暗いと谷の隅に来て、伸び放題の雑草に手を伸ばす。
鈍い銀色の刃物を雑草の根元に充てて引く。
ぱたりと倒れるソレを掴んで背中に背負った籠に放り込んだ。
お昼を過ぎるころには籠は、刈り取った草で満杯になっており生き物が歩く度に少しずつ零れていく。
寝床に付いた生き物は籠をひっくり返して雑草をブルーのシートの上に並べる。
随分と少ない。
首を傾げ辿ってきた道を見ると、ぽつりぽつりと雑草が落ちている。
不思議に思って籠を覗くと底に大きな穴が開いていた。
生き物は耳をぺちょりと垂れさせて、ふてくされる様に地面に転がった。
午後の日差しでまどろんでいく。
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