第285話 回帰ダブルエムVS空海大地(3)
「どうやら私の#
ダブルエムは、自らの
それは自らの
「----では、このような攻撃ならいかがでしょう?」
ダブルエムが右腕を頭上に掲げると、その腕に『何か』が集まって行く。
腕に集まった『何か』は、腕の周りをぐるぐると回りながら、不気味な音を立てていく。
「これが『何か』なのかは、#既にあなたはご存じのはず」
その集まった『何か』のうちの1つを、ダブルエムは放つ。
放たれた『何か』が、近くにあった死体の1つを、真っ二つに両断する。
「斬撃か、それは」
「今まで#不可視 にしていただけで、これが#通常 ですよ。私が物体化させた場合、斬撃は見えるようになる。"斬撃を物体として認識して、操作する
『不可視にしていた』と語る言葉に、空海大地の勇者としての経験が著しく
相手が使用するのは、斬撃を操るという特殊な
刃物を振るえば出て来る程度のモノであり、冒険者ではない普通の人間であろうとも、出せるような代物。
珍しくもなければ、すぐに消えてしまう、どこにでもあるようなモノ。
「----不可視から戻せば、切れ味が上がる。そう言いたいのだろう、ダブルエム?」
「#正確には、切れ味が"
そうして、見えるようになった----見えるように戻した斬撃を、ダブルエムは幾重にも積み重ねていく。
1つ、2つ、3つ----10を超えたあたりから、空海大地は数える事を止めた。
不可視の、見えない斬撃。
ダブルエムの言葉が正しいとすれば、見えなくしたことで切れ味が劣った状態。
そんな状態の斬撃ですら、同じレベルⅩである天地海里は、防げずに両断された。
自分が天地海里よりも防御力が著しく上回っていない以上、アレを防ぐ事は空海大地には出来ない。
「----"
そう、1つだけ。
空海大地には、これをなんとか出来るかもしれない手段が思いついていた。
今までやらなかったのは、それが倫理的に問題だったからだ。
「その問題を、お前なら許してくれるよな? ----なぁ、
「話し合いは----#
ダブルエムはそう言って、空海大地に作り上げた武器を見せつける。
それは10を超える斬撃を複数個組み合わせて作り上げた剣であり、常に回転し続ける事で周囲の空間そのものを切り裂き続けていた。
「これこそ、【抜刀】の#最終究極奥義 にして、#基本の集大成 の技。
----【斬撃操作】というものでしょうか」
そうして生み出した斬撃の剣を、ダブルエムは構える。
基本の型----特に面白みもない、基礎中の基礎。
面白みも欠片もない、次にどう斬るかも分かるくらい、ごく初歩的な技。
しかしながら、空海大地はその技から目が離せなかった。
「基礎を極めた先にあるのは、究極の技。今こそご覧にいれましょう、空海大地。
----【抜刀】術、究極奥義。【必殺技】----その名の通り、『必』ず『殺』す『技』」
そうして、空海大地に向けて、ダブルエムは剣を振り下ろした。
----剣を振り下ろした先の世界は全て、両断された。
剣を振り下ろした先にあった国、インドネシアは、何も分からないままバラバラに切断されていた。
パプリニューギニアやソロモン諸島、クック諸島などを始めとした諸国連合、そしてその先にあった南アメリカ大陸を半壊してようやく、ダブルエムの究極奥義たる【必殺技】はようやく止まった。
当然、その先にあった空海大地もまた、消滅した----。
「#はぁ?」
しかし、【必殺技】をモロに受けたはずの空海大地は、"無事でいた"。
「「お前が真っ二つにすると言うなら、俺/私は合体して2つを1つになってみせる!!」」
そこに居たのは、真っ二つどころか、2人が一緒くたになった姿。
「「今の俺/私は、マイマイン! 全ての罪を背負い、ダブルエム! お前も、そして世界を救う、真の勇者だ!!」」
「……#どうしてこうなった」
溜め息を吐きつつ、ダブルエムは戦闘を続けるのであった。
(※)【必殺技】
ダブルエムの
レベルⅩでもあるダブルエムが周囲に物体化させた斬撃は一撃一撃が神をも殺す神殺しの斬撃であるため、破壊力もまたそれに準ずる強力無比な、まさしく必ず殺す技となっている
(※)【マイマイン】
2人の元勇者、空海大地と天地海里が魂そのものを完璧に融合、元に戻る事を不可逆にしたことによって生誕した、両性具有の姿。性別を超越し、神に近付いたことにより、その全ては上級の神と同等以上の力を発揮できるようになった
元々、【旧支配者】専用スキル【リ・セット】によって生まれた同等の存在であったため、いつでも1つになることが出来た。しかし、2人の切なる願いによって、ただ1人になる時よりも強い力を持つことが出来た
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます