13日目 9月16日 「サブテーマを決めよう」
はい、リモートで漢文のテストを受けながら日誌を書いている神崎です。
いやあ、もう楽ですね。リモート講義。
うちの大学の教授たちは基本的に皆んな優しいので、カメラをオフにしながら講義を受けることができます。なので、大半の学生がやりたい放題です。YouTubeを見るのもよし、読書やゲームなどの娯楽に興じるのもよし、こうやって日誌を書くのもよし、と。
ただ、注意しなければならないことがあって、大学は一定の単位を取らないと、進級ができないということです。
一つの講義で取れるのが、通期(一年間受ける講義)で4コマ。半期(半年間で受ける講義)で2コマなので、一つでも単位を落とすと、取り返すために、来年度に講義を増やさなくちゃいけなくなります。
完全に自己責任です。
大人に区分される大学生らしいですね。
ちなみに、神崎は前期に半期で取れる単位を根こそぎ修得しているので、こんな余裕があったりします。
ナイス、前期の神崎。
というわけで、今回は少し余裕をもって、余裕ある大学生ズラして書きたいと思います。
今回のテーマは『サブテーマ』です。
サブテーマ……字面通り、主題とは他に設けられるもう一つのテーマですね。神崎的には、作者が読者に向けて書き残すメッセージのようなものだと思っています。
ここ数日で書いてきたトピックの中で、群を抜いて重要だと、この神崎は考えています。
こと公募に挑む方々にとっては、最重要と言ってもいいです。
このサブテーマを作るか否かで、公募を優位に進められるかが、決まってしまうと言っても過言ではありません。サブテーマが組み込まれている小説とそうでない小説では、大きな差が生まれ、編集者や作家の注目度も大きく変わります。
じゃあ、具体的にサブテーマを作るとしたら、どんなことをすればいいのか。そもそも、どんなものがサブテーマにあたるのか、書いていきたいと思いますね。
そうですね。
ここでは、神崎の大好きなFate stay nightを例として挙げてみましょう。(知らない人がいたらすいません。そのような物語があるのだという前提で読んでください)
以下、メインテーマ。
正義の味方を志す主人公、衛宮士郎が引き取り手である義父の因縁で、ひょんなことから、どんな願いでも叶えることができる聖杯を巡って魔術師同士が争う聖杯戦争に巻き込まれていくことになる。
以下、サブテーマ。
聖杯戦争が原因で起こった大火災でたった一人生き残った衛宮士郎は、自身を救出してくれた義父に憧れ、彼の想いを受け継ぎ、正義の味方を志す。しかし、何を持って正義なのか、正義とは何なのか悩み続けている。
……こんな感じでしょうか。
読者の中に過激派の型月厨の方がいらしたら怒号が返って来そうなあらすじですが、何分、Fateを知らない方にも向けた簡略的なものなのでお見逃しください。
Fate stay nightのサブテーマは個人的に正義の在り方だと、神崎は考えています。物語を読み進めていけば気づきますが、主人公のモノローグで非常に正義についてが言及されています。物語が進むに連れて、結果的に士郎は自身の正義を再認識するわけですが……。
こういうメインとは別のテーマがあると、物語の深みが増し、読んだ後に余韻が残り続けるんですよね。
ただ敵がいて、仲間がいて、主人公が成長する。そういう単純な構造でも十分楽しむことができますが、サブテーマを通して、作者が読者に向けて訴えかける形は、どんな内容であれ心に残るんです。
しかし、これがまた難しい。
あまりに露骨に表現すれば、キャラクターが脳死で走る物語が出来上がってしまいます。
いかにその作中に登場するキャラクターたちの日常に落とし込むか、それが難しく、そして重要なんですね。
ちなみに、神崎の応募するミステリー小説では、善意と正義をサブテーマとして設けています。善意と正義ーー似ているようで、その実、まったく違うものなんですよね。
じゃあ、それをどんな風に物語に組み込んでいるかというと。
善意から万人を救おうとする元探偵の主人公と、依頼達成だけを正義とする探偵のヒロイン。この二人を対比させています。
やり方は間違ってても、正しくあろうとする主人公。それ故に失敗する。
やり方は正しくても、世間的に間違った在り方になってしまうヒロイン。しかし、失敗はしない。
こんな正反対である二人を探偵と助手(主人公)にすることで、様々な場面で対比をさせることができますし、いつでもサブテーマの話題を自然的に入れることができるんです。
とまあ、最後ら辺は神崎の話になってしまいましたが、サブテーマの重要性は伝わったでしょうか。
何かしらの賞に応募する作品には必要不可欠と言ってもいいサブテーマ。もしまだ取り入れていない方は、これを機に、少し考えてみてはどうでしょう。きっと、さらに作品が面白くなると思いますよ。
一週間企画が終わってしまったので、次回は専門学校に侵入した時の話でも出来ればいいかなあと思います。
では、また明日。
いい夜を。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます