慶長メスガキ物語

しゃるふぃ

1.~3びきのぶたと1ぴきのオオカミ~

 昔々あるところに、3人のオスブタがいました。3人は兄弟で、ホームレスです。

困った3人は家を作ることにしました。長男は藁、次男は枝、3男は鉄筋コンクリート製のおうちです。


 ある日、ちいさなちいさなメスガキがやってきました。

 メスガキは長男と次男の元を訪れ言いました。


「えぇ~♡ ざこが家建ててる~♡」

「なんだとこのメスガキ!」

「大人を舐めるな!」


長男と次男は家に籠城しました。


「こんな家一息で吹き飛ばせるのに♡ あたまわる~い♡」


メスガキはまず長男の家に息を吹きかけます。


「台風来たら崩れる♡ 壁も前髪もすかすか♡ 私よりお金持ってない♡」

「うわああああ!」


 長男は敗北し、メスガキのブタになりました。

 メスガキは1匹のブタを連れて、次男の家に向かいます。


「長男と違って、俺はハゲてないぞ!」

「だっさぁい♡ ハゲてなければ大丈夫だと思ってるんだぁ♡ 頭よわよわー♡」

「なんだと!」


メスガキは息を吹きかけました。


「腕ほっそ♡ こぉーんな小さな子よりも細い♡ 腕も壁も枝みたい♡ なのにお腹だけ出てる♡ みっともなぁ~い♡」

「うわああああ!」


メスガキは2匹のブタを連れて、3男の家に向かいました。


「ほらほら♡ 不戦敗がお兄ちゃんにはお似合いだよ♡ 負けちゃえ♡ 負けちゃえ♡ 兄より優れた弟は存在しない♡ つまりお兄ちゃんもただのざこ♡」


 しかし家は崩れません。3男は強化ガラス越しに言いました。


「子供は家に帰れ」

「強がってるんだぁ♡ 言葉が強くて弱く見えるね♡ きもーい変態お兄さん♡」


 メスガキはカーテシーで太腿を見せるも、お兄さんの家はびくともしません。


「あっ♡ わざわざ抜け穴作ってる♡ 煙突から入っちゃお♡」

「大人を舐めるな、すぐにわからせてやる」


お兄さんは煙突の下に、透明で縦に長いケースを置き、水を入れます。その上にはフタが閉まる罠を仕掛けました。


「スカートの中見たいからこんな風にしてるんだよね♡ こんな小さな女の子に興奮してる♡ ざぁー……っこ!」


 ぽちゃん!ばたん。

 大きな音を立ててメスガキは水に落ち、蓋が閉じてしまいます。


「へっ?」

「お仕置きだ!」


 しかし水位は高くなく、腰のあたりまで浸かって終わりでした。これでは溺れるはずもありません。それに蓋には空気穴が開いています。


「ぷぷっ、ざーこぉ♡ 見せかけ♡ こけおどし♡ お兄さんの家みたい♡ こんなケース、すぐに壊せちゃうんだから♡」

「オラッ!」


 お兄さんは水がたっぷりと入ったバケツを持ってきて、ゆっくりと水瓶に注ぎました。それでもメスガキは屈服しません。


「直接戦えない意気地なし♡ バケツを持つ手が震えてる♡」


ざぁーっ。お腹が水に浸りました。


「冷たくて気持ちぃ♡ こんな、のっ、すぐ壊せる♡」


ざぁーっ。胸が水に濡れて、下着が透けています。


「きっ、きもーい♡ 下着を見たい性犯罪者♡」


ざぁーっ。とうとう顎が水に触れました。


「…… え、えっと、その、冗談?」


さぁーっ。鼻まで水に浸かり、メスガキは立っていられません。


「ゆっ、ゆるっ、ごめんなさっ」


さぁっ。あと数センチで、水は溢れてしまいます。


「おっ♡ お、おに♡ ご、ごめ、ごっ!」


お兄さんはバケツを傾けるふりをしました。

バンバン!メスガキが必死にケースを叩いています。口元をもごもご動かしても、泡を吐き出すだけでした。

 お兄さんはメスガキが失神しかけたところで、引き揚げました。


「わかったか?」


メスガキは何度も頷きます。

こうしてお兄さんはオオカミになり、3匹のブタを従えるのでした。おしまい。

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