第三十七話 最強の降臨。ここから先はオレのターン!!
そして場面は現世へと切り替わる。
「ホーーッホッホ。第二形態の私を追い詰めた勇者でさえこの程度ですか」
チリひとつない空を見上げながら、無抵抗で呆気なく爆発した俺に対し、エンペラーゴブリンが鼻で笑って馬鹿にしていた。
「ホッホッ。次はあの【九将軍】とその娘どもを殺せば、この地は私達ゴブリンのもの同然。ですね」
ぐるりと周り、腰に手を当て、ミイナ達の隠れている方向へとゆっくり歩きながら。
「別に人間の土地など支配する気はありませんでしたが、私達ゴブリンの今後の為にも、この私自ら人間どもを奴隷にでもして有効活用するとしましょうか」
ギュピッ。ギュピッ。ギュピッ。
独特な足音で近づいてくるエンペラーゴブリンは恐怖の権化そのものであり、人間なのに魔王のようなサダンさんでさえ、今度こそ本気で死を覚悟したのか。
「クソが。これまでか」
と額に汗を滲ませながら悔しがっていた。
「だがミイナ。マカ。お前達だけはこのワシが命をかけて絶対にここから逃してやる」
すぐ隣で気絶している二人の少女を見ながら、最後の力を振り絞って立ち上がり、残っている右手に全エネルギーを込め。その時が来るのをじっと待っていると、突然空から光の柱が降りてきた。
ドォォォンッ!
「「!?」」
「やれやれ。合体したのはいいが、とんだ姿になったもんだぜ」
空間を突き破って落ちてきた衝撃で周囲にあった木々や大地を吹っ飛ばし、黄金の光に包まれながら天上界から
「この気配は――馬鹿な!?」
驚きながら後ろを振り向くのと同時に。
「遅いぜ。
「がぁぁぁぁっっ!」
一瞬で距離を詰め、固く握った拳で顔面に一撃くらわせた。
殴った勢いでメキメキと顔が三日月のように凹みながら、遥か遠くにある崖まで飛んでいく。
「まだだ。オレの攻撃はまだ始まったばかりだぜ、エンペラーゴブリンくん」
ジャラジャラとゴールドーチェインを体中に巻き、黒いマントに白いジャケットを身につけ、黒と金の混ざった髪の毛をバチバチと逆立てながら、アニメやゲームでしか存在しないような超絶イケメンになったオレは、大地を蹴ってひとっ飛びで空を飛んでいるエンペラーゴブリンくんへと追いつき。
「いくぜ。オレの攻撃。『
「ウボォォォォッ!!」
腹を蹴り、くの字に折れ曲がりながら地面に叩きつけられるエンペラーゴブリンくん。
「ぐぅっ。馬鹿なぁぁぁっ!」
衝撃で出来た小規模なクレーターの中心でヨロヨロ立ち上がり、口から血を大量に吐きながら、空で見下しているオレを指差しながら。
「ガハッ。な、なんだ貴様は!」
「ふっ。知りたいなら今回だけ特別に教えてやるぜ。
「何ぃぃっ!? 『ゴブリンビーム』」
「そんな攻撃。かすりもしないぜ」
ブチ切れたエンペラーゴブリンくんの攻撃を軽くかわし、バサバサして邪魔なマントを空へと脱ぎ捨て、空中で両腕を組みながら。
「オレは勇者と天使が一つになった存在。『
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