10/4(月) ䷇ 水地比(すゐちひ) 五爻三爻

10/4(月) ䷇ 水地比(すゐちひ) 五爻三爻


【運勢】


比はしたしみのことを意味する卦である。

こちらから親しもうとしても上手くいかない。諦めるべきである。

それと共に、仲良くする人をしっかりと判断しなければならない。朱に交われば赤くなるように悪に染まってしまう。



【結果】䷇◎五⚪︎三


水地比(すゐちひ) 五爻三爻


《卦辭》


[上爻 少陰][五爻 老陽][四爻 少陰]


[三爻 老陰][二爻 少陰][初爻 少陰]


《爻辭》


[五爻 優先][三爻]


【原文】

《卦辭》

比は吉なり。原筮(げんぜい)。元永貞(げんえいてい)にして咎(とが)めなし。寧(やす)からざる方(まさ)に來たる。後るる夫は凶。

彖(たん)に曰はく、比は吉なり。比は輔(ほ)なり。下順從するなり。原筮、元永貞にして咎めなしとは、剛中(ごうちう)を以てなり。寧(やす)からざる方(まさ)に來たるとは、上下應ずるなり。

象に曰はく、地の上に水あるは比。先王(せんわう)以て萬國を建て、諸侯を親しむ。


《爻辭》

[五爻 優先]

九五。顯(あきら)かに比す。王、三軀(さんく)を用ひて前禽(ぜんきん)を失(うしな)ふ。邑人(ゆうじん)誡(いまし)めず。吉なり。

象に曰はく、顯かに比するの吉は、位、正中なり。逆を舎(す)てて順を取る。前禽を失ふなり。邑人誡めずとは、上の中なら使いしむるなり。

[三爻]

六三。之に比(ひ)する、人に匪(あら)ず。

象に曰はく、之に比する、人に匪(あら)ず、亦(また)傷(いた)ましからずや。


【解釋】

〔王弼、東涯の解釋〕

《卦辭》

比は親しむ、たすけるの意󠄃である。五爻の王だけが陽であり、他はすべて陰爻で王にしたがっている。筮に基づいて大変長く正しさを守っている人を選べば問題ない。五爻に親しむ機会を失ったものはよくない。人と親しもうとすべきである。


《爻辭》

[王弼]

[五爻 優先]

比の主爻である。二爻と応じ有っている。顯かに比するものである。比にして之に顯かであれば、親者の所狭し。物に私ないことは、唯だ賢のみ。則ちこれを去って来ることをともにすれば、皆失うことがない。三驅の礼は、禽、逆へ来て己に趣けば、則ち之をすてて、己に背きて走ぐれば、則ち之を射る。来ることを愛して去るをにくむ。故にその施す所、常に前禽を失う。顯かに比するを以て、王位に居り、三驅の道を用いる者である。故に「王、三驅を用ひて、前禽を失ふ。」という。其の中正を用いて、征討するに常有り。伐ちて邑に加えず、動けば必ず叛くを討つ。邑人虞るる。无し。故に誡めない。大人の吉を得ざると雖も、是れ顯かに比するの吉也。此れ以て上の使ひ為る可くして、上為るの道に非ず。

[三爻]

四爻は、外より比しみ、二、五を應となす。近くして相得ず、遠ければ應じるところがない。一緒に親しもうとする者は、皆己の親しんではならない。故に之に比する、人に匪ず。という。


[東涯]

[五爻 優先]

[三爻]



〔根本通明の解釋〕

《卦辭》


比は親密なる所である。比は密であり、密は物と物とが密着して間に隙間の無いことである。上卦は水、下卦は地である。水は地の中に浸み込んでくるから、水と土は離れることが無く、密着した状態である。五爻目は陽爻で天子にあたる。天子は人民と密着しており離れることが無い。ちょうど水と土の関係のようである。これは吉である。「筮」は神に吉凶を問い訊ねることで、「原」は再びという意で三度問うことである。つまり天子は神に吉凶を訪ねるのと同じように、諸々の人民へ何事も懇ろに問い訊ねて事を謀るのである。「元永貞」とは元徳を持つ人が、永く怠らず、貞しい所を守っていることである。これは堯舜(古代中国で徳をもって天下を治めた聖天子である堯(ぎょう)と舜(しゅん)。転じて、賢明なる天子の称のようなものである。「後夫凶」は、四方の国が名君に服しているのに、後に残って服せずに居る男が禍を受けることである。


[彖傳]


比は吉である。また互いに相輔けることである。「下順従」の「下」は下卦の坤=人民のことである。そして「順従」は坤の卦の象であり、人民が皆九五の天子のもとに集まってくることである。「不寧方来」は上から下まで残らず天子に応じて服して来ることをいう。「後夫凶」は名君に服さない者が、自ずから往くべき所がなくなり、その道に窮することをいう。


[象傳]


地の上に水があるのが比である。地に悉く浸み込んで来る水は、名君の徳性が深く人民の方へ浸み込んでいく例えである。君と民は親密な関係であり、離れようもない。こうした君民一体の関係に、皇統一系の象が含まれているのである。


《爻辭》

[五爻 優先]

[三爻]

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