その日、コピーサイトを見つけた

9/2 その日、コピーサイトを見つけた

　こんにちは！

　藤井機斎と申します！

　さて、今回は、9/2にカクヨムのコピーサイトを見つけてしまった話を備忘録代わりに書いていきます。

　もしかすると、同じようなことがまた起こるかもしれませんので、是非ご参考にしていただければと思います。

　そもそも、どうやってコピーサイトを見つけたかと言うと、完全に偶然でした。

　私事で恐縮ですが、さる9/2にコロナウイルスのワクチン(1回目)を摂取し、副反応かどうかわかりませんが、眠気はあっても眠れない状態になりました。

　仕方がないので、普段はあまりしないエゴサーチをしてみようと思い、自作タイトルをGoogle検索しました。

　ちょうど、現在書いている「M線上のかすか(https://kakuyomu.jp/works/1177354054890910970)」をエゴサした時に、それは見つかりました。

　なんとなしに検索結果を閲覧していくと、なんか見覚えのないサイトが表示されています。

　SYOSETU

　とはいえ、登録していないFacebookやハーメルンで自作タイトルの名前が見つかることもあるため、この時はそこまで気にしてなかったのです。

　おすすめの小説として書かれていたので、嬉しかったですね。

　さて、見出しには別作家さんの小説のものとおぼしいタイトルが書いてありました。

　エゴサをされた方はご存知かもしれませんが、大体の小説は「関連小説」や「この小説をブックマークしている人はこんな小説も読んでいます！」みたいに、傾向が近いと思われる小説へのリンクが貼っています。

　このタイトルの小説の関連小説として「M線上のかすか」が掲載されているのかと思い、リンクを踏みました。

　それが、9/2の20:10くらいだったと記憶しています。

　――SYOSETU？

　さて、リンクの先に待っていたのは、正直言ってカクヨムのUIをそのまま使用しているようなサイトでした。

「は？　なんだ、ここ？　カクヨムの姉妹サイト？」

　あまりにそのままなので、最初に考えたのはKADOKAWAがカクヨムの姉妹サイトとして作成したサイトなのかなと思いました。

　小説家になろうにも閲覧サイトの小説を読もうやノクターンノベルズ、ムーンライトノベルズが存在しているので、その類なのかなぁという感じでした。

　しかし、カクヨムの姉妹サイトなんて聞いた覚えもありません。

　とはいえ、自分が知らないだけかもしれない。

　ただ、どうもおかしいのは作者名が完全に削除されており、本来「カクヨム」と書かれているものが「SYOSETU」に置換されているようでした。

　そして、運営への問い合わせフォームも見当たらない……。

　もしやと思い、その時にエゴサしていた「M線上のかすか」を検索してみると、ヒットせず。

　しかし、これだけで安心はしていられません。

　今度は別の自作を検索すると……出るわ出るわ。

　人気が出たものから、全然人気のなかった（基本いつもない）作品がわんさか出てくる。

　しかも、作者名はなし。

　――これはおかしい……。

　訝しさを覚え、次に削除されてはいましたが、作者名（ユーザー名）で自分を検索しました

　検索には、ユーザー名が欄には入っていました。

　考えてみれば、カクヨムのUI丸写しなので、当然と言えば当然ですよね？

　が、検索結果としては「なし」

　もうこの時点でかなり怪しい。

　そもそも、問い合わせもできない段階で、まともではない……。

　この時点で腑に落ちていないのですが、それでも間違いがあってはいけません。

　せめて、ある程度の確証を得なければいけません。

　よって、ひとまず情報収集を始めることにしました。

　まずはこのSYOSETUをググってみて、情報を集めようとしましたが、ここで小説家になろうが出てくるわけです。

　そう、小説家になろうのURLは「https://syosetu.com/」

　国内最大の小説投稿サイトが検索結果の上位を占めるのは、当然と言えば当然の話だったのです。

　これはまずい。

　小説家になろうの検索結果が大量に出てきて、SYOSETUの情報精査ができません。

　そこで、SYOSETU.TOPで検索をかけてみることにしました。

　それでも、このサイトに関連する内容はありませんでした。

　もうこうなると怪しさしか漂ってきません。

「どうやら、第一発見者になってしまったようだぞ……」

　眠れないからエゴサした結果、こんなサイト見つけるとは思いもしませんでしたが、これは自分の胸に秘めておく問題ではない。

　これはカクヨム運営、そして全てのカクヨム利用者の問題だ……。

　ならば、行動しなければいけない！

　第一発見者だったら、第一発見者なりの行動がある。

　そして、まずはジャブ程度にTwitterにてこんなツイートをしました。

　https://twitter.com/WizardFujiiRX/status/1433391102753525766?s=20

　https://twitter.com/WizardFujiiRX/status/1433396638551142401?s=20

　この時点でも万一のために若干探っている感じのツイートになってますねwww

　これらのツイートに反応したフォロワーさんも「違法コピーサイトちゃうの？」という結論でした。

「やっぱりそうだよな！」

　とはいえ、このツイートではパンチに欠ける。

　それに、カクヨム運営に伝わらなければ意味もない。

　よし、次の行動だ！

　みんなオラに元気をわけてくれ！

　まずは、カクヨムへの通報です。

　カクヨムお問合せ窓口に以下の内容を送信しました。

「いつも利用しております。

　まずは、サイト運営にご尽力いただいている皆様に厚く御礼申し上げます。

　さて、先ほどですが、以下のサイトを偶然発見いたしました。

　☆URL☆

　このサイトはカクヨムのフォーマットがそのまま使われていますが、作者名が無く、またカクヨムとの関係や、問い合わせ等のフォームも見当たりません。

　推察するに、海賊サイトであるかと思います。そうであるなら、早急にご対応いただきたいと思います。

　カクヨムのフォーマットが利用されていることもあるため、もし(見当違いの見解であったらお許しください)カクヨムの運営用のサイトであるなら、目に触れないようにしていただきたいのです。

　以上でございます。今後ともよろしくお願いいたします。」

　フォーマットじゃなくてUIとかレイアウトだろうが！　など、色々と文面がおかしいのですが、兵は拙速を尊ぶとも言いますのでこれで送信！

　続いて、カクヨムユーザーへとこの情報をお伝えしなければいけません。

　残念ながら、影響力があるとはとてもいえない身ですが、この情報だけは絶対に拡散してもらわなければ困る。

　なにせ、前の2ツイートはほとんど反応がない。

　反応がなければ意味はなし。

　考えに考えた結果、以下の内容でツイートをいたしました。

　https://twitter.com/WizardFujiiRX/status/1433399124448006151?s=20

「【拡散希望】

カクヨムで投稿している作者の皆様にお伝えいたします！

こちらのサイトで、カクヨム作品の無断転載されていると思われます！

カクヨムのフォーマットそのままで、作者名の記載なし、問い合わせフォームなしの、真っ黒すぎるサイトです！

(カクヨム運営に報告済)」

　カクヨムも巨大組織なので、一人の声だけでは届かない可能性は充分に考えられます。

　大きなムーブメントにしなければ問題解決にはならないし、そもそも注意もしようがない。

　言い方は悪いですが、これだけはバズってほしいと思いましたね。

　最初の滑り出しは想定よりも遅かったので、内心かなり焦れていました。

　しかし、事の重要性を理解してくださるフォロワーさんがリツイートとカクヨムへの通報をしてくれて、次第に大きな流れを生み出すことになります。

　同時に、わかりやすさが必要と感じまして、Twitterユーザー名も急遽「違法コピーサイトをぶっ潰す！エルフ@藤井機斎」に改めました。

　これなら、ユーザー名だけでも趣旨がわかるでしょう。

　NHKから国民を守る党ではありませんが、わかりやすいキャッチコピーは必要だと感じましたが、これが効果あったかはわかりません。

　しかし、明らかに拡散速度が増していったのはわかりました。

　未だかつてなかった嵐のような通知欄。

　そして、有志の方々による解析等で、徐々にこのサイトの正体がわかり始めてきました。

　まとめるとこんな感じ

　①ドメインは中国

　②作成日は8/9

　③カクヨムという単語を全てSYOSETUへと自動置換

　④カクヨムとPVが連動していることから、クローンサイトと思われる

　流石に0時を越えた辺りから眠気が復活してきた(普段は21～22時就寝)ので、ここで落ちました。

　なお、スマホはずっとブゥンブゥンと言っていました。

　翌日。

　コロナウイルスワクチンを打った翌日でもあることから、会社は事前に休みを取っていました。

　左腕の痛みに耐えながら(ちょっと大げさ)、反応のあったツイートをリツイートしていました。

　どうやら、トップ画面は変わらないものの、検索や各作品ページに飛べない状態になったようです。

　この時点ではカクヨム運営様からの発表等はありませんでしたが、水面下で事態は動いていました。

　動きがあったのは、15:15。

　カクヨム公式Twitterで以下のツイートが発信されました。

　https://twitter.com/kaku_yomu/status/1433675349447954437?s=20

　そして、カクヨムからの正式なお知らせ。

　https://kakuyomu.jp/info/entry/2109_fakewebsite_caution

　朝の8時台に既に行動に移していただいてたようで、アクセスができなくなっていたのはそういう理由のようです。

　16:58にはカクヨム運営から、ほぼ上記と変わらない内容のメールが届き、無事事態が収束したのでした。

　多少前後しますが、小説家になろう公式でも発表がありました。

https://twitter.com/syosetu/status/1433700026220306432?s=20

　こういうのは対岸の火事ではありませんからね。

　こういう一つの大きな流れを作れたのは、結果的に良かったと考えています

　迅速な対応をいただいたカクヨム運営の皆様、情報を拡散していただいた皆様、有志で様々な解析等のご協力をいただいた皆様、本当にありがとうございました！

　まさか、こんなことがあろうとは思いもしませんでしたよ、ええ。

　たった一日でしたが、終わってみれば貴重な体験でした。

　バズるのなら、今度は自作でバズりたいですね！

　以上、ご閲覧いただき、ありがとうございました！

　奴は去った。

　しかし、第二第三のSYOSETUはまた来るかもしれない……。

　勝利に酔いつつも、我々は不安を隠しきれなかった……。