第7話 がっつりレベリング
昼食を食べ終えると……早速俺は、ダンジョンの入り口へ向かった。
ちなみに今日の昼ご飯は、チェーン店の牛丼。
ミニサイズで、トッピングは一切無しのものを注文した。
これは別に俺が少食だからとかではなく……「これからダンジョンで稼いで、貧乏生活を抜け出すんだ」という決意表明みたいなものだ。
ダンジョンの入り口で、俺は看板に書いてあるQRコードを読み取り、地図を開いた。
初心者用のチュートリアルといっても過言ではない1〜3階層については、基本的にネット上で地図が無料公開されているのだ。
俺の目的は、4階層だからな。
1〜3階層はサッサと突っ切って、レッサーロックゴーレム狩りを始めるとしよう。
◇
4階層に着くと……早速、目の前にレッサーロックゴーレムが二体現れた。
まず俺は右の奴に対し、マナボールV2を連射した。
計14発で、レッサーロックゴーレムは砕け散り……地面に魔石だけが残った。
威力が3倍になったことで、必要な連射数も約3分の1に減ってるってところか。
おおむね計算通りだな。
同じ要領で、俺はもう一体のレッサーロックゴーレムにもマナボールV2の連射を浴びせ……木っ端微塵に吹き飛ばした。
すると今度は……魔石ではなく、服のようなものがドロップした。
ドロップ品回収のため近づいてみると……その服は、革製だということが分かった。
おそらく、革鎧といったところだろうか。
ダンジョン産のアイテムだし、HPとか防御力とかに関わってきそうだが……その辺は、帰ってから調べるとでもしよう。
などと考えつつ、俺は魔石と服を拾い、持ってきていたレジ袋にしまった。
<古谷浩二はレベルアップしました>
少し遅れて、そんな脳内音声が聞こえてきたが……とりあえず、今は無視だ。
こんな頻度でレベルアップするなら、いちいち確認してたらキリがないだろうしな。
「疲れたからちょっと休憩」ってなタイミングにでも、ステータスウィンドウを開いてみればいいだろう。
そう思い、俺は次のレッサーロックゴーレムを探して歩き始めた。
◇
そして……一時間ほど、レッサーロックゴーレム狩りを続けていると。
<古谷浩二はレベルアップしました>
<スキル:「マナボールV2」が「マナボールV3」に進化しました>
10体ちょい狩ったところで……俺の脳内に、そんな音声が流れてきた。
……レベルアップだけでなく、今度はスキルの進化も同時か。
これは流石に、確認してみた方が良さそうだな。
レベルも何回か上がってるし……体力的にはそんなに疲れていないものの、ちょっと一休憩挟みたい気分ではあるし。
「ステータスオープン」
というわけで、俺はそう唱え、ステータスウィンドウを開いた。
─────────────────────────────────
古谷浩二
Lv.6
HP 72/72
MP ∞/70
EXP 10/1200
●スキル
<アクティブ>
・マナボールV3
<パッシブ>
・ダンジョン内魔素裁定取引
─────────────────────────────────
レベルは5上がって現在6か。
HP上限は3倍ちょい、MP上限も2倍以上になってるな。
レベルアップの度に、レッサーロックゴーレム撃破に必要な連射数は減ってたし……その辺は妥当だろう。
あとは、マナボールV3が実際、どんなものかってとこだけだな。
俺はその確認のため、ステータスウィンドウ上の「マナボールV3」を指でタップした。
─────────────────────────────────
●マナボールV3
マナボールの進化版。
MP1あたりのダメージ量がマナボールの1.8倍(マナボールV2の1.5倍)になっている。
20階層までの魔物の無属性攻撃無効を貫通する。
【進化条件】マナボールV2を100〜10000回使う(何回で進化するかは使用頻度次第)
─────────────────────────────────
すると……出てきたのは、こんな説明だった。
威力はマナボールV2の1.5倍……これまた一気に上がったもんだな。
そして俺は、4階層に来てからは100発ちょいくらいしか連射してないはずなので……またもや、ほぼ最低の回数で進化条件を達してしまったようだ。
ずーっと撃ちっぱなしくらいじゃないと最低回数で進化はできないと思っていたが……案外、1時間に100発くらいのペースでいいのか。
ちょっと拍子抜けだな。
俺が抱いたのが、そんな感想だった。
そして俺は、ステータスウィンドウの表示を終了しようとしたが……その時。
俺は、読み飛ばしていた行にとんでもないことが書いてあるのに気がついた。
無属性攻撃無効貫通、だと……。
これもしかして、8階層の魔物もマナボールV3で倒せてしまうってことなのだろうか?
これは一旦、工藤さんに聞いてみたいところだな。
俺は狩りを一旦中断し、今まで手に入れたドロップ品(のうち革鎧以外)の売却と攻略許可階層の引き上げ交渉に向かうことにした。
◇
3〜1階層を駆け抜ける足取りは早かった。
気持ちが早まったからとかいう話ではなく……物理的に、来た時より速いスピードで走り抜けられたのだ。
ステータスが上昇したことで、身体能力が上がったことの現れだろうか。
まあそうじゃないと、深層にいったら魔物にスピードだけで翻弄されそうだし……おそらくそう思っておいて、間違いないだろう。
そんなことを考えつつ、受付の「ドロップ品換金/サービスカウンター」と書かれているカウンターに並ぶ。
魔石がどれだけの金になるのか、そして攻略許可階層は増えるのか……楽しみだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます