第48話 祓 1
俺たちが引き受けた事を受け、早速、最低限必要な知識を
まず、俺たちの手首に現れた”
これがあることで俺たちは
その力を借りて
ただし、それにはいくつかの注意事項、というか条件がある。
まず、祓を使用するためには基本、"
言霊とは、魂を込めて紡ぐ言葉・・・・願いや祈り、そして
言霊を使用することで、使用する術に思い通りの形や能力を与えやすくなる。
妖力を粘土に例えるなら、言霊は
言霊という型の中に、妖力を詰め込んで形にする。
妖力は形になって初めて、術として力を発揮できるんだ。
それから、行使できる術の精度。
これは
使える術の数や速度、力の強さ、連続して使用可能な回数や時間、正確さなど、様々なことが異なってくるようだ。
最後に、術の使用についてだが、彼呼迷軌の判断により使用できない場合がある。
悪事に利用しようとしても、彼呼迷軌がそれを認めない限り、術は発動しないのだ。
「では、みなさん。さっそく練習してみましょう。まずは、ここからあの川の向こう側まで、祓の能力を借りて移動してください。レクチャーは頼みますよ。久遠先生。」
いきなり話を振られた久遠は、呆れた顔で翡翠を見返した。
が、言っても意味がないと思ったのか、ため息をつき頭を横に振ると、気を取直して俺たちと向き合った。
「移動を行うには、基本として
言うと、久遠は伏せ目がちになった。
「
久遠が祓を使用したことが、すぐにわかった。
瞳が月の色に輝き出したのだ。
「今、僕にはあの川向こうの景色が見えている。その景色の中に自分が立っている姿をイメージするんだ。そして・・・・」
一度言葉を切ると、久遠は人差し指と中指で自分の胸のあたりを指し示し、言葉を発した。
「
途端に、風にさらわれるように久遠の姿がかき消えたかと思うと、小川の対岸に姿を現した。
久遠はまたすぐに姿を消し、一瞬で俺たちの目の前へともどってきた。
「やってみてくれ。」
俺たちはお互い目くばせをしてうなずき合うと、川に身体をむけ、目に意識を集中させた。
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