その愛にまったく♡

「ふあぁ……」


 寝不足の頭にイラッと して

 なんでこんなに眠いのかとふと我にかえる


『ねぶそくのあたまに いらっと


 たまにあそぶくらいの ねっと』


 そう たまに遊ぶくらいのネット で

 昨日は遅くまで夜更かしをしてしまった


 街はクリスマスの飾り付けで賑やかになっている

 でも朝の風景で光らないイルミネーションのLED

 の配線が街路樹に巻き付いているのは逆に滑稽で

 むしろ何だか寒々しかった


『たまにあそぶくらいの ねっと


 くらいまぶたにそっとね あの』


 暗い瞼にそっとね あの

 彼女の顔と最後の捨て台詞を思い出す

 先月ケンカして引っ叩かれた頬を手で触れた


『くらいまぶたにそっとね あの


 ぶったくらいにと まあそのね』


 ぶったくらいにと まあそのね

 確かに僕が悪かったわけだけど暴力は反対

 親父にもぶたれたことないのにとか

 そこまでは言う気はないけどね


 僕は一つ大きく息を吸うと胸のモヤモヤと一緒に

 それを全て吐き出した

 さぁ、素直に謝って許してもらおう

 もうじき聖なる夜だというのに一人ぼっちなんて

 寂しいしね


 さっきまでの心に魔法をかけて


『ぶったくらいにと まあそのね

 

 ぶ

  ったくら  と     ね

      いに  

          ま

           あ

            その


        ぶ

       ったくら と ね

     いに  

     ま

      あ

     その


           ぶ

       ったくら とね

    いに  

      ま

   あ

 その



 そのあいに まったくらぶとね』


 その愛にまったくラブとね

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