#4 Avaricioso IV

塩島はアフリカで悪党と一緒に船の上にいた。


今、アフロみたいな髪型した黒人男性にタバコを貰い、今は呑気に腰を下ろして吸っていた。潮風がいつもより心地よい。


〈塩島〉この先、どうなるんかな?


〈ロナック〉さあな…… と電話だな


〈塩島〉誰だ?


〈ロナック〉それは教えられないな、中に戻るぞ


ロナックの持っていた携帯から電話があり、2人は船の中に戻った。


〈ニーノ〉よう、どっちか選ぶ気になったか?


〈塩島〉まだ考え中、なんかどうでもよくなってきた


〈ニーノ〉ちっ!


〈ロナック〉ニーノ! ちょっと今回の路を変える


〈ニーノ〉は?


ロナックは相手との電話が終わると、ニーノとラディに内容を話した。


〈ロナック〉ラディ、お前もこっちに来てくれ


すると下の階からラディがやって来る。


〈ラディ〉なんだい?


〈ロナック〉本来、あの男の持ってるデータを破壊してこの男はどこかに棄てるという事だったんだが、ちょっと事情が変わった。先程のボスの会話で、データをボスに届ける事になった。


〈ラディ〉ほう͡° ͜ ʖ ͡° )


〈ニーノ〉それで?


〈ロナック〉そこでだ、コーナーショップでの待ち合わせとなった、そこに向かう


〈ニーノ〉おお! いいね!


〈ロナック〉ただし、あの男も連れていく


〈ニーノ〉正気か?


〈ロナック〉ボスの命令なんでね


〈ニーノ〉あいよ……


〈ロナック〉オーケー、では向かおうじゃないか


そういうと、ロナックは船を操縦し軌道を変え、そのボスとの待ち合わせ場所に向かった。


それから何日、船に乗っていんだろうか。

少なくとも2日になると思う。ずーと、悪党と塩島を乗せた船は海を渡っていた。


塩島は先程の部屋で、1人で片隅で座っていた。幸い、飲み物と食べ物は困らなかった。あの黒人か女が何かしら時間になると持ってきていた。パンや缶ずめなどだった。


ある日だった。黒人が階段を降り、塩島に話掛けた。少し、ニヤっとした。


〈ロナック〉さーて、もうそろそろ着く。行くか、行かないか、あんた次第だ


〈塩島〉行くってどこに?


〈ロナック〉着いてからの楽しみだ


すると、ラディから連絡がきた。船が港に着いたことを、トランシーバーを通して、連絡してきた。ロナックとニーノはそれに対応し、降りる準備をする。


〈ロナック〉よし、着いたな


〈塩島〉?


塩島とロナックは階段を上がり、船を降りた。その後ろに、ニーノとラディが付いてきている。


〈塩島〉ここは何処なんだ?


〈ロナック〉ここはラウルペリだ、サル


〈塩島〉サル?


〈ラディ〉おそらく君のニックネームじゃないかな?


〈塩島〉あんたは、たしかラディ?


〈ラディ〉そう、ラディだ。ここは、ラウルペリ、グアテマラの都市さ


〈塩島〉グアテマラ!?


〈ラディ〉そうさ


〈塩島〉そんなところに来ていたのか、通りで何日か揺れてると思ったよ


4人は歩くと、ある場所に着いた。


〈塩島〉ここは?


〈ラディ〉うちがもってるコンテナだ


と、ラディはコンテナに付いているボタンを押した。ガラガラっとコンテナの扉が開いた。どうやら、ロック式の自動ドアだ。暗証番号を設定してボタンを押すと扉が開くようになっている。その中から、レトロな車が出てきた。


〈ラディ〉こいつは、僕が買った初代シボレー・カマロSS、1968年モデルホワイトカラーさ


〈塩島〉はぁ……


〈ロナック〉この車である場所に移動する


〈塩島〉げっ! 船の次は車!? 鉄の中の揺れが治まって、久しぶりの気分のいい陸なのに、今度は革に揺られるのかよ


〈ニーノ〉おい、文句言ってると死ぬぞ?


〈塩島〉うっ……


〈ロナック〉のった、乗った


ロナック達と塩島はそのカマロに乗って移動した。


ひたすら、カマロの中からラウルペリの街を観ながら。

ラウルペリはグアテマラシティからずーと南にある港湾都市だ。船はその港に着けてある。なんと、その一角を買い取ったらしい。仕事の為なんだとか。


しかしながら、凄く綺麗な都市だ。まるで東京に居るような感覚だ、周りを見渡すと大きなオシャレなビルやお店が光を差して一つ一つが宝石のようだった。グアテマラがこんなに綺麗なオシャレな国だとは思ってもみなかった。


20分ほど車を走らせると、待ち合わせ場所に着きお店の前に駐車した。お店だった。しかも普通のBARだった。お店の名前は『 CORNERSHOP 』と書かれている。見た目は普通のBARだ。そう、ごく普通のBAR。


〈ロナック〉降りろ


塩島は車を降りる。


〈塩島〉なんだ、ここは? お店?


〈ラディ〉バーさ


〈ロナック〉そう、ちょっと俺たちの酒に付き合ってもらう


塩島は驚いた。まさかこんな状況でまさかお酒が呑めるなんてと驚いていた。


〈ロナック〉さて、入ろうか


塩島は言われるがままそのBARの中に入って行った。


そこは、外見とは違った風景だった。昔の酒場のような処だった。自分が大海賊時代に飛び込んだかような錯覚をする。


ロナック達はBARのカウンターを座った。塩島もつれて座った。


BARには1人の店主が働いていた。無精髭の小洒落た男性だ。


ここでお酒を呑むのだが、このBARは他のBARとは違った。


その頃、外では何台か車が一気に留まり、深い緑色した軍服のような服をきた男たちが数人出てきた。


男は座り、肩にライフルを乗せ身を構える。そして、大きなライフル、銃口をBARに向ける。背の高い男が車から降り、言った「Disparo!」。


すると、その掛け声の後に続き、ライフルを持っていた男は撃鉄を起こし大きな弾を発射させた。

おそらくあの男は指揮官で、撃て! と指示をしたのだろう。その弾はあまり音を立てず、ロナックたちがいるBARに飛び込もうと煙をだしつつ順調に向かっていた。


店主も周りの人もラディ達も塩島も、それは誰として気づかなかった。ただ、一人だけを除いては…… 。


塩島たちの運命はどうなってしまうのか。このまま、ライフルの弾をくらってしまうのか。



ー #4 Avaricioso IV .金の亡者4 ー 続く。











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