プレイヤーキル


アカリが白い大蛇を見て何故か固まっている。


「どしたの?」


「え〜...っと...ここのボス...白い大蛇じゃなくて緑色の大蛇でフォレストジャイアントスネークって名前のはずなんだけど...」


「鑑定してみたら?」


「そだね」


私も目の前の白い大蛇を鑑定してみる。


―――――――――――――――――――――――


ホワイトフォレストジャイアントスネーク(希少種)


『フォレストジャイアントスネークが突然変異した姿。とても珍しくその素材はとてもレアであり、王族達がこぞって狙うほどである。』


――――――――――――――――――――――


希少種...!?しかも王族が狙うほどって...


「アカリ!希少種だって!レアだよレア!!」


「これ凄いよヒナ!」


「そなの?」


「うん、トリガーって発売されて2ヶ月くらい経つけどフォレストジャイアントスネークの希少種はまだ確認されてないの」


「つまり...?」


「むちゃくちゃレア!」


「アカリ!絶対倒すよ!!」


「うん!援護射撃お願い!」


「はーい!」


アカリが刀を抜き大蛇に接近する。私はアカリが大蛇に接近するための時間を稼ぐためにアサルトライフルを大蛇の目に標準を合わせフルオートで打ち込む。


「ナイス!ひな!!」


「頑張ってアカリ!」


大蛇は目を打たれたことによって失明状態になり、咆哮を上げながら暴れ回る。大蛇の攻撃をかいくぐったアカリが斬撃を叩き込む。


「このゲームって失明状態あるんだ...」


「え?狙って撃ったんじゃないの!?」


「目が1番柔らかそうだからね」


この大蛇の鱗銃弾弾きそう...それにこんなリアリティのあるゲームなら跳弾あるかもしれないし。


「じゃあ合図したら失明状態にさせて!」


「わかった!」


すると失明状態から治った大蛇が口から炎を吐き出す。


「ちょっ炎だせるの!?」


「あれ、言ってなかったっけ?」


「聞いてないかも!!」


「あはは...ごめん」


何とか炎をかわして大蛇を牽制射撃する。


「ヒナ!」


「わかった!」


ふたたび大蛇を失明状態にするとアカリが大蛇に向かって飛びかかる。


「スキル発動...『焔』!」


するとアカリの刀が真っ赤な炎をまとい大蛇に連撃を叩き込む。大蛇は激しいダメージエフェクトを散らしながら爆散する。すると天の声が聞こえた。


『ホワイトフォレストジャイアントスネークの討伐を確認しました。ワールド初討伐として特別報酬があります。特別報酬はアイテムボックスに直接送られます。』


『称号:百発百中を獲得しました。』


『レベルが5から8に上がりました。』


特別報酬と称号も気になるけど今はもっと気になることがあった。


「え...大蛇って爆散するっけ...」


「しないわよ」


「いましたじゃん」


「私のスキルのせいね」


「アカリこわ...」


私はちょっとアカリに畏怖の目を向ける。


「はいはい、そんなことよりも報酬確認しましょ!」


大蛇が爆散した所に宝箱が2つ現れていた。


「これって2人でクリアしたから2つってことだよね?」


「うん、ヒナどっちがいい?多分ひとつしか選べないし...」


左は青い宝箱で右が赤い宝箱...


「ここは好きな色の青で!」


「じゃあ私は赤だね!」


どんな報酬かワクワクしながら宝箱を開ける。


『白大蛇の皮x5、白大蛇の牙x2、白大蛇の肉x10、M82A1、12.7×99mmNATOx20、M82A1用10連マガジン×2を手に入れました。』


ん〜...ん?え?M82A1...!?え?こんな序盤に手に入っていい銃じゃないよ!?あっでもこのゲームは銃弱いんだよね...じゃあM82A1でもヘッドショットじゃキル出来なそう...


「ヒナー報酬どうだった?」


「神」


「ほほう...さてはいい銃が手に入ったの?」


「うん、M82A1っていう銃!」


「その銃つよいの?」


「対物ライフル!」


「対物ライフル...?」


「戦車ぶっ壊す銃」


「えっこわ...」


「現代の戦車は貫通出来ないけどね...そっちはどうだった?」


「主武器になりそうな刀でたよ!強化しないと...!」


「え?武器って強化できるの?」


「うん、モンスターの素材を使って強化できるよ〜」


し、知らなかった...よし、モンスター素材大量に集めてM82A1を強化しまくる!


「そいえば特別報酬ほら得たよね。初討伐とかなんとかで」


M82A1に興奮しすぎて忘れてた...アイテムボックスを確認してみると一丁の銃が入っていた。


「M1911A1...と.45ACPが42発とM1911A1用7連マガジン×4...ね」


「新しい銃?」


「うん、始まりの拳銃からやっと卒業できるよ〜!」


そいえばさっき手に入れた称号ってどんな効果があるのかな


―――――――――――――――――――――――

称号:百発百中


銃弾が当たる度に威力が上がる。ただし外したりほかのモンスターなどに当たるとリセットされる。


獲得条件は1000発外さないこと。


―――――――――――――――――――――――


ほほう!アサルトライフルとかで使えそうな称号ゲット!!


「ヒナー!」


「なーにー?」


「私ちょっとフレとクエしてくるね」


「わかったー!あっその前にひとつ聞きたいことが!」


「んー?」


「街じゃなかったらPKって出来るんだよね?」


「出来るけど...」


「プレイヤー倒したら持ってた素材の1部とナノが貰えるんだよね?」


「う、うん...」


「ふふふふ...」


おっと思わず黒い笑みが出てしまった。


「ヒナがPK好きなのは知ってるけど顔怖いよ...?」


「私ちょっと金策してくるからたまたね!」


「う、うん...狙われる人ご愁傷さまです...」


その後その場で別れ始まりの街に戻った。


「まず確かめることは...M82A1をみんながしてるみたいに具現化できるか...」


すると手元にM82A1が現れずっしりとした重さを感じる。


「よし!これを背負って...と!これでよしっと」


傍から見ると金髪蒼目少女が自分の身長と同じくらいの銃を背負っているのである。当然周りの人の目線を集めてしまう。


「なんかすごい見られてるけど...とりあえず確認したいこともあるから武器屋行こっと!」


武器屋に到着し、早速ガンナーのパネルを開く。すると銃弾の欄に色々なマガジンと銃弾の種類が現れる。


「やっぱりマガジンと銃弾の解放は最初に貰える銃以外の銃を手に入れる事だったんだ。」


しかも銃弾はマガジンに自分で込めないといけないようだ。


「えっと...12.7×99mmNATOは...うぇ!?」


表記された値段を見て変な声が出てしまった...


「に、20万ナノ...1発20万ナノ...じゃ、じゃあ.45ACPは...500ナノ...1発にこんなに銃弾かかるんじゃ確かに人気でないわけだよ...」


思わずパネルの前で崩れ落ちてしまった。


「こうなったら本格的にPKで稼ごう...!」


PKならナノと素材同時にゲットできるから普通に戦うよりもマシな...はず!!


「そうと決まったら狙撃ポイント探さなきゃ!っとその前にステータスポイント割り振らなきゃ」


30ステータスポイント割り振り今のステータスはこうなった。


―――――――――――――――――――――――


名前:ヒナ

職業:ガンナー


Lv:8

HP40/40

MP30/30

物攻40

魔攻2

物防5(+8)

魔防4(+4)

速度52


スキル:リロード短縮、調合、鑑定、索敵、必殺の一撃


称号:百発百中


―――――――――――――――――――――――


さて...と。さっきメニュー見てて気がついたけどどうやらマガジンにも所持制限があるらしい。弾とはちがい、所持制限以上は持てないらしい。ただ、マガジンに入っている弾は弾にはカウントされないらしいので弾買う時はマガジンに入ってるか確認しなきゃだね。


始まりの街を出て始まりの草原を通り抜け、アカリと一緒に来た時に目をつけていた迷いの森に入ってすぐにある木々が生えていない丘にやってきた。


「うん、予想通りここなら木に邪魔されずに始まりの草原で戦ってる人達狙えるね!」


そう言いながら私はM82A1を準備する。バイポッドをたて、伏せる。


「さて...手頃な相手はいるかな?」


スコープを除き手頃な相手を探していると4人PTがスライム2体と戦っているのを見つけた。


「ランサー1人、タンク1人、マジシャン1人、アーチャー1人...ね。よしマジシャンとアーチャーが重なった瞬間を狙おう」


そして待つこと数分...ついにその瞬間がきた。


「きたっ!スキル発動!『必殺の一撃』」


スキル発動するとM82A1は青い光を放った。そして放たれた銃弾はマジシャンの頭を貫き、貫通し、アーチャーの胸部を貫く。そして2人はそのまま粒子となって消える。


「わわっ...反動すごっ...これ連射するならもっと物攻あげなきゃだね。ん?およよ...ワンショットダブルキル出来ちゃった。」


正直ワンショットダブルキル出来ないと思ってた...だってトリガーだと銃弱いんだもん!


『8000ナノ手に入れました。スライムの核×3手に入れました。』


「おぉ〜!やっぱりPKの方が楽!だけど弾代には程遠いな〜...やっぱり上級者を倒した方がナノは大量に手に入るのかな?」


残った2人を狙おうとふたたびスコープをのぞく。


「あっ...逃げてる...ざんねん」


こうして私のトリガー初のPKを体験した。


「よし、街に戻って武器強化だ〜!」



―――――――――――――――――――――――


11:名無しのマジシャン

なあ、街でヒナちゃん見かけたけどなんかごっつい武器背負ってた...


12:名無しのアーチャー

あっそれ俺も思った。ヒナちゃん自分と大きさ変わらない武器背負ってたからみんな注目してたよね


13:名無しのセイバー

おっヒナちゃん新武器ゲットしたのか。


14:名無しのアサシン

始まりの街と言えばさ始まりの草原に透明の敵現れたのしってる?


15:名無しのセイバー

なにそれ?


16:名無しのアサシン

なんか駆け出しの人達が4人パーティ組んでたらいきなり2人キルされたらしい。そして銃声も聞こえたらしいよ。


17:名無しのアーチャー

それ十中八九ヒナちゃんじゃね?


18:名無しのアサシン

でも銃がそんな火力出せるとは思えんのやけど...


19:名無しのアーチャー

あ〜たしかに。たまたま銃声が被っただけかもしれないしな。透明ってかアーチャーの狙撃かもしれないしな。


20:名無しのマジシャン

このゲームのPKってメリットもあるけどデメリットの方がでかいよな


21:名無しのアーチャー

それな。


―――――――――――――――――――――――

トリガーではプレイヤーにキルされると『プレイヤーにキルされました。』と天の声に言われるだけで名前は教えて貰えません。


ステータスの装備は変えた時のみ書くようにします。いちいち書くのめんどくさいんです...あと()ないの+は装備による補正です。


私はむちゃくちゃ銃に詳しいって訳じゃなくてちょっと噛んでる程度なので変な感じに書いてるかもしれないです。その時は指摘してください...


M82A1:対物ライフルに分類されるセミオートの狙撃銃。

銃身は1447mmと大きく、重さも12.90kgある。

使用する弾丸は12.7×99mmNATO

射程は2000m


作中の狙撃の距離はだいたい500mだと思ってください。

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