第69話
花蓮の剣と奴の剣がぶつかるが、花蓮が若干押されている。
「なんて馬鹿力……!」
ムセンが一度吠え、奴の喉笛に噛みつこうとする。
だが、奴はムセンを殴り飛ばし、花蓮の剣を自身の剣で弾き飛ばす。
後ろに大きく後ずさるムセンと花蓮。
奴は花蓮との距離をつめる。
自分の剣が上空に飛ばされた一瞬の隙をついた攻撃に花蓮は成すすべもない。
アリサがムセンの名を叫ぶ。
※ ※ ※
ムセンが一度大きく手を叩く。
するとムセンと花蓮の位置が変わる。
「ほう……」ローガが感心した声を出す。
花蓮が奴の背後を、ムセンが奴の正面から連続攻撃をする。
すでに花蓮は自分の剣を器用にキャッチしていた。
さすがの奴でも立ち位置が何度も入れ替わりながら攻撃されるのは不慣れらしく、防戦一方だった。
だが、勘のいい奴のことだ。
この状況も長くは続かない。
それにムセンはすでに三つもスキルを同時に発動している。
そう長くはもたない。
俺がそう思考を巡らせ、アリサに視線をやる。
アリサは頷き、複数の魔法発動の準備をする。
シエスタもアリサの行う魔法の種類が分かるのか、それに合わせた魔法の魔法陣を地面に発生させる。
※ ※ ※
数分間、奴をムセンと花蓮は食い止めていた。
花蓮の高速の剣技が次第に奴の鎧に傷をつける。
どうやら致命傷を避けることだけに奴は集中しているようだ。
ムセンが渾身の一撃を奴に放ち、奴はこれを受け止める。
奴は大きく後ずさる。
だが、奴のにやけ
ムセンが大きく吐血する。
どうやら限界が来たらしい。
片膝をつくムセンにローガは狙いを定めて首を撥ねようとする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。