大変なこと
窓のそとでは小鳥がさえずり、鶏が啼いていた。
「大変」と女がいった。
女の横に寝ていた男は目ざめた。
「そんなに焦って、なにが大変なのか」男が寝ぼけながらきいた。
「あの意地悪な祖母が亡くなったの」と彼女が言うやいなや
「そいつは大変だ」と男は色めきたった。
「話を切らないで、大変なのはそこじゃないの」と女は続けた「それがどうやらが夢らしいの」
「ああ、残念、なんてことだ。それは大変だ」と男はいった。
「ええ、そう、ほんと大変ね」と女はいった。
窓のそとでは小鳥がさえずり、鶏が啼いていた。
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