第15話郡馬 野鳥の森ガーデンの芝桜と桜
⑮群馬 野鳥の森ガーデンの芝桜と桜
平成二十一年四月十日
芝桜の景色を見たくていろいろ探してみたら群馬 野鳥の森ガーデンに
あるとわかったので出かけてゆく事にした。
というのもこの時期、秩父の羊山公園にある芝桜は有名だが
二、三度行ったことがあるし、ものすごく混んでいてなかなか
辿り着けない。
それに、山道を登ってゆくので私のギア付きのボロ車ではブレーキと
アクセルを踏む足が疲れてしまう。
という訳で他を見に行きたいという結果となった。
調べると茂林寺の近くらしい。
茂林寺へは以前行ったことがあるので道は大体わかる。
駐車場に車を入れて入園料を払って中へ入ると直ぐに芝桜が見えた。
羊山公園のように斜面ではないので歩くのも楽である。
まったくの平という訳ではないがほんの少しの起伏の大地に
白、ピンク、濃いピンク、淡い赤紫色などの芝桜の絨毯が敷き詰められている。
ご機嫌なのはそれらを囲むように染井吉野が植えられている。
相当の年数が経っているのか幹も太いし、花は満開である。
グルグルと遊歩道を何回も回って歩く。
さて、何処が絵になるか、絵に出来るか。
スキップしたいぐらいにうれしい景色である。
所々に売店があって簡単なテーブルと椅子が置いてあるのがうれしい。
椅子に座ってソフトクリームをなめながら周りを見渡す。
私の目も頭もご機嫌だ。
桜の樹の姿の良い所を探してスケッチする。
一枚描き終わってから奥の方に行ってみる。
最近はやり始めたネモフィラが植えてあるが
まだ植え始めたらしく、整備中という感じでその丘を
埋めるほど咲いてはいない。
でも、青い色はとても素敵だ。
敷地も広く、休憩出来る場所もありトイレもあちこちにあるので
長居出来る。
ずっと見ていたい気分だがそういう訳にも行かず
そろそろ帰ろうとすると一陣の風が吹いて来て
あっという間に桜吹雪となる。
声も出ないで見惚れてしまう。
ハラハラと舞う桜の花びらに目を奪われてしまって
動くことが出来ない。
帰るなという事かと思って椅子に座って桜吹雪を楽しむ。
地面はピンクの芝桜で埋め尽くされ、ピンクの桜は満開で
しかも風が吹くと舞うピンクの花びら。
これは絵に描けない。
未練が残ってなかなか帰れない。
思い切って帰ろうと腰をあげると、それを見ていたかのように
風が吹いて来て桜吹雪となる。
一本の樹からの花びらではないので、花びらの量も相当な量である。
大げさに言えば、芝桜の大地を埋め尽くすほど舞い散っている。
帰ろうと思ってから小一時間桜吹雪に引き留められていたが
一大決心をしてゆっくりと出口の方に向かう。
何度も何度も振り返りながら・・・
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