【chapter14】夢人の宣言

後日、そのようなことがあったことを話すと彼はことも無げに


「何だ、彼氏だって言えばよかったじゃん。」と言う。


あまりにもあっさりとそんなことを言い放つ彼に


「私が彼女でもいいの?」「体だけの関係じゃなかったの?」と聞くと、


「嫌だったら一緒にカフェ行ったり、人前で手を繋いだりしないでしょ。」「そう思われてたなら心外だな。初めて会った時から体だけの関係だなんて思ったことないよ。」彼がそう告げた。


恋の淵に立たされた心境で思い悩んでいた時間は一体何だったんだ。


彼とは体の関係だと思っていたので重くならないようにと、あまり頻繁に会う約束をしないようにしていた。


その持って行きようのない気持ちは、恋活サイトで出会った他の異性とメールすることで紛らわせていた。


時には会って食事をしたり交わりを持つことだって…。


本当はそんなことをしたくなかった。


彼だけに身を委ねたかったのに、私は自分の心を偽っていたのだ。


したわしい気持ちを抑えて接してきた彼からの突然の宣言は私をすっかり困惑させた。


ちゃんと言ってくれなきゃ伝わらないよ…。

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