チームドリトルの事件簿

蒼空チョコ

プロローグ チームドリトルの事件簿

 私の名前は桜庭陽菜。

 あまり見ない苗字だから、「あの桜庭さん?」っていつも言われる。

 でも、みんなが思い出すのはお姉ちゃんのことばかり。

 小学生のときはバスケットボールのジュニアクラブで大会を勝ちぬいて、中学生になってもすぐにレギュラーで、学校の横断幕にいつも名前が書いてあるくらいの人。

 最近ではプロが指導するクラブからお誘いが来ているんだって。

 だけどね、小学校では私も少しだけ有名人。

 

 どうしてかといえば、動物をじっと見つめるとその気持ちが色として見えるから!

 

 動物のことが少しでもわかるっていうのはとても特別なこと。

 だってふつうは言葉も通じなくて、なにを考えているのかもわからない相手だもん。

 あの子たちの考えがわかればいいなって、だれでも一度は考えるよね。

 その証拠に、動物の言葉がわかる『ドリトル先生』は古い作品なのにたくさんの人が知ってる。

 あんな風にお話しをできれば、ふしぎで楽しいことが起こるんじゃないかって、みんなが想像しているからこその人気だよ。

 それと同じ。

 動物の気持ちが色として見える私も、実は特別な事件に何度もめぐりあってる!

 私にはこの特技のおかげで、お姉ちゃんにも負けないくらい自慢の友達と思い出があるんだ。

 

 これは学校の帰り道で見つけたカラスがきっかけで出会ったお話。

 私が大切な友達と見つけて、力を合わせて解決した動物事件のひとつ。

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