ヘソ曲がりナナメ読み
凹田 練造
第1話 犬山紙子氏の俳句の強味と弱点について。
犬山紙子氏の俳句が、MBSテレビ『プレバト』において、大きな話題になっている。
この番組は、作品に、「才能アリ」「凡人」「才能ナシ」の三種類の評価をつけるのだが、犬山氏はそれまで、「才能アリ」一回「凡人」二回「才能ナシ」二回という成績だった。
何年も続いている同番組では、すでに何度も優秀な作品を作った名人と呼ばれる人たちや、名人を狙う特待生と呼ばれる人たちが、通常上位を占める。
ところが、二千二十一年の夏のタイトル戦「炎帝戦」で優勝したのが、なんと何の位もない犬山氏だったのだ。
その時の犬山氏の俳句が、介護中の母の様子を詠んだものだった。また、唯一「才能アリ」を獲得したのが、ふるさとに干物が吊り下げられている情景を詠み込んだものだった。
それに対し、「炎帝戦」直後に判定された句を含めて、三つの「才能ナシ」作品が、すべて自分のことや、自分の感情を描写したものだったのだ。
通常、自分のことを客観的に見たり、一枚の絵として思い描き、表現することは難しい。犬山氏は、おそらく、自分以外の人や情景を句にし、その対象と自分との関係を感じさせる場合に、最も強みを発揮するのではないか。
せっかく母の句でタイトルを獲得したのだから、当分は母を詠んだ句で勝負してみてもいいかもしれない。
犬山紙子氏の俳句から、ますます目が離せなくなりそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます