131.今日はいっぱい忙しいんだ

 朝起きて、すぐに仔犬を探す。ベッドの上に居ないんだ。心配で部屋を見回したら、隅っこの方で座っていた。


「ああ、トイレを用意してやらなきゃいけなかったな」


 おはようと挨拶をしたパパが、困った顔をする。トイレはあるのに、仔犬は入れなかったのかな? 扉を押すには小さいから?


「この扉を少し開けて、犬用のトイレを置こう。犬と悪魔はトイレの種類が違うんだ」


「そうなの!? じゃあ大変」


 おしっこ我慢してたんだね。赤ちゃんなのに漏らさなくて偉いな。パパがすぐに侍女の人を呼んだ。猫の耳がついた人だよ。彼女が用意した箱には、布みたいのが敷いてあった。


 パパに言われて、仔犬を箱に入れる。おしっこしていいよと話しかけて腰の辺りを撫でたら、自分でおしっこした。我慢してたからいっぱい出てる。我慢するとお腹痛くなるから、終わった後撫でてあげた。


 きゃん! 箱から出ようとする仔犬が騒ぐ。短い手足で箱によじ登って、途中で動けなくなった。箱の縁がお腹に引っかかるみたい。


「はははっ、これは大変だ。カリスはどうしたらいいと思う?」


 箱の縁が高いなら、低くしたらいいの? でも平らにしたらおしっこが外に漏れちゃう。仔犬を抱っこして膝に乗せた僕は、仔犬の足をよく見た。すごく短いし、お腹がぽっこりしてる。


「低くしたら出られるから、ここだけ低くして」


 指でここからここまで、と示した。撫でた場所をパパが魔法で低くしてくれる。仔犬を下ろして押したけど、トイレに入らないの。練習なのに困ったな。


「逆にしてみたらどうだ?」


 何度も繰り返す僕に、パパが教えてくれた。そっか、外に出たいなら中に入れたらいいんだ。言われた通り仔犬を箱の中に座らせる。すぐに出てきた。ちゃんと自分で出られたよ。


「ありがとう、パパ」


「どういたしまして。それよりご飯を食べて、仔犬の名前を考えようか」


 パパがご飯と言ったら、仔犬がわんと鳴いた。この子、ご飯が分かるんだ。僕やパパの足元を走り回る仔犬は元気で、拾った時の傷だらけが嘘みたい。あの時は死んじゃうかと思った。


 今日はミカエルにお礼の絵も描こう。ウリエルとガブリエルも描くから、大きい紙を用意してもらわなくちゃ! 名前の綴りは確認してから書いて。今日の僕、忙しいね。


「忙しい俺の気持ちがわかったか?」


 パパが笑いながら僕の頭を撫でる。大きな手が乗せられて左右に揺れる感じ、すごく幸せなの。頷いてパパに抱きついた。大好き、ずっと一緒。仔犬も一緒でいいと言ってくれた。優しいパパが僕は大好きだよ。


「俺もカリスが大好きだ。さあ、食事にしようか。お膝においで」


 テーブルに並んでいたのは、長細い肉と焼いた卵、サラダやスープ。縦に長いパンだった。侍女の猫さんが切ってくれる。縦なのに真ん中を切って、そこにソーセージという肉を挟むの? 作ってもらったパンに齧り付いたら、美味しくてびっくりした。僕、毎日これでもいい!





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新年明けましてo(〃>ω<)oおめでとうございますぅ!! 本年もヾ(*・ω・*)ノヨロシクデス(o*_ _)o))ペコッ

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