第50話 王宮図書館(2)(サンジュリアン視点)
「なんだ?扉の紋様を調べてたんじゃないのか?」
俺がどう答えるか躊躇していたらヒューリスティが静かに答えた。
「扉の紋様を調べてはおりませんでした。アルストロメリア帝国から魔法学を学びたいと思い勉強していたのです。この紋様は何かの文献で見たものを書き留めておいたもので、とりあえず持ってきたものです。扉の紋様だとは知りませんでした」
「そうか。ちょっと見せてみろ」
ヒューリスティは見せることはなんてことないという仕草で渡した。
第二王子はじっくり眺めた後、
「うーん。チラッと見た感じだと前王妃の扉の紋様なんだが、描かれている動物が違うな。だが、まぁ前王妃が描いたものだろう。兄上に聞くのが早いのだが、兄上は前王妃のことを話さない」
「いえ、興味本位で調べていただけなので第一王子殿下のお怒りを買う気はありません」
「そうか。だが、俺は父上に扉の紋様を調べろと言われてるんだよ。その紋様と一緒に調べてくれないか?」
「陛下がなぜ?」
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