第27話アゴノVSジャンディーナドルク(前編)
遊撃隊の秘密基地に戦闘ヘリが襲来した日から二日後、アゴノと教授と下僕たちはドルクスとジャンディーナドルクと戦う準備を整えた。
その前日にジャンディーナドルクがアメリカへと進攻し、西部の土地を征服したというニュースが全世界に報じられ、アメリカ全体が恐怖にかられた人々で大混乱が起きていると報じられた。
『これはアメリカ征服も時間の問題だな。』
『日本が征服されるのはいつなの!?』
『次はブラジルかカナダか?』
『誰か、ジャンディーナドルクをやっつけてください!!』
ネットではこのような書き込みが世界のいたるところで書き込まれた。
「アゴノくん、本当に行くんだね。」
教授が真剣な表情でアゴノに言った。
「はい、私に何かあった時のために、クリエイターメモリーを託します。」
アゴノは教授に、クリエイターメモリーを手渡した。
「おそらくジャンディーナドルクとドルクスは、今回の支配地で手に入れた戦力を全て使って私に挑んでくるだろう。そうなるとアメリカの軍事力を持ってしても、厳しい戦いになる。だから早くジャンディーナドルクを倒して、早く戦争を終わらせなければならないんだ。」
「そうだね、もし必要なら私が用意した武器もあげるよ。」
「ああ、とても助かる。」
そして午前七時三十分、いよいよ作戦開始だ。
「これより、我々はアメリカ・ワシントン州へ向かってドルクスとジャンディーナドルクと戦う。奴らは午後八時四十五分に、ワシントン州で自信の味方たちを集めて暴動を起こす計画を立てた。味方たちを集めているのは、ワシントン州のオリンピアにある公園だ。それらしい集団を見つけたら、速攻で仕留めに行く。」
「承知しました!!」
下僕たちは一斉に言った。
そしてアゴノはパワー・ストームの力で、ワシントン州のオリンピアへと続くゲートを生み出して、下僕たちを送り込んだ。
「この先にいるんですね・・・、悪魔になった刹那が。」
「ああ、だがここまで来たらもう後には引けないぞ。」
「わかった・・・、おれ行くよ。」
そして覚悟を決めた来馬は、アゴノと一緒にゲートをくぐった。
そしてワシントン州のオリンピアにある公園では、五百人ほどの人々が終結していた。そしてシュウたちに十人がが五百人の人々を統率している。
「シュウ、もうすぐ五百人ほどがやってくる。知らせて、全員をまとめておけ。」
シュウは了解とため息をつきながら通信を切った。
「お前ら、味方が五百人ほどこちらへ向かって来る。合流したら、作戦を決行するぞ。」
シュウが拡声器を使って知らせると、公園内に英語で熱狂が響きわたった。
「すごい盛り上がりだな・・・。」
「さすがは刹那だね・・・、あのカリスマ性はドルクス様に匹敵するよ。」
シュウが仲間たちと言い合っていると、五百人たちが上空を指さして騒いでいることに気が付いた。
「おい、静かにしろ・・・・って、ああ!!」
そしてシュウもまた上空に指をさした。
するとそこにあったのは、空を飛ぶ巨大なドラゴンと遊撃隊の軍勢だった。
「よお、そんなに人たちを集めて何をしようとしているんだ?」
「ア・・・、アゴノ!!やはりこのタイミングで・・・。」
シュウは歯ぎしりをした。
「お前ら、今からジャンディーナドルクの味方になろうとしているようだが、そうなったら私と愉快な下僕が相手をしてやる。」
そしてアゴノを乗せた巨大なドラゴンが火を吐いた。
「うわあ!あのドラゴンは、本物だ!!」
「怖すぎるぞ・・・!!」
「どうしよう、どうしよう!!」
パニックになった人々に対し、シュウは言った。
「落ち着けお前ら!!そんな奴なんか、ジャンディーナドルクにかかれば倒せる。だからビビることはないぞ!!」
「そ・・・、そうだ!我らにはジャンディーナドルクがついている。」
「お前なんかこわくないぞ!!」
「おれたちの邪魔をするな!!」
人々は英語で上空の遊撃隊を罵倒した。
「アゴノ様、こいつら全く恐れません。」
「くっ・・・、お前たちはジャンディーナドルクの陰謀を知らないんだな。だったら、私が直々に教えてやる。」
「黙れ!!これでも喰らえ!」
人々の誰かが遊撃隊に向かってバズーカを撃った。ドラゴンの吐いた炎で、相殺した。
「あいつら先にやったな?よし、全員やっちまえ!!ヒャッハーーーッ!!」
「あっ、グリム!!アゴノ様、どうしましよぅ?」
「もう行くしかない、戦闘開始だ!」
アゴノと下僕たちは上空から人だかりへ向かって突っ込んできた。
「あっ、あいつら突っ込んできたぞ!!」
「くそっ、ここで作戦が潰されてたまるかよ!!」
シュウが闇のバリアを貼った、バリアは五百人全員を包み込み、遊撃隊の攻撃をなんとかしのぐことができた。
「さすがドルクスの良き下僕、そう簡単にはいかないか・・・。」
「おい!!バリア出してんじゃねえよ!!」
グリムディーンが剣でバリアを破壊しようとしたが、上手く破壊できなかった。
「そう簡単にくずせると思うなよ、ジャンディーナドルクが来るまで、持ちこたえてやるー!」
「パワーストーム・バースト!!」
アゴノの強力な一撃が放たれた、シュウのバリアもさすがにこの攻撃には耐えられず、バラバラになった。
「くそったれが・・・・。」
「シュウと一緒にやられたのは、せめて二百人か。下僕たちよ、このまま攻めるんだ!」
アゴノと下僕たちが一気に攻め入ろうとした時だった、辺りの気配がどす黒くなって重苦しくなった。
「きた・・・、ドルクスとジャンディーナドルクが来たんだ。」
「・・・もう来たか。」
シュウとアゴノの視線の先には、大勢の人々を連れてきたドルクスとジャンディーナドルクの姿があった。
「やはり、ここに来たかアゴノ。」
『全く、本当にお邪魔ばかりする奴ね。これからアメリカ征服をしようとしている時に、のこのこと正義の味方気取りでさ。アベンジャーズにでもなったつもり?』
ジャンディーナドルクはアゴノに不敵な笑みを浮かべ、見下した口調で言った。
「ジャンディーナドルク・・・いや、義馬ライフさん。これがあなたのしようとしていることか・・・、ダークパワーストームの力を受けて、さらには伝説の剣と融合したことでここまでの力を得た。全ては世界を終わらせるためだけに・・・、いくらこの世に不満があろうとも世界を壊すことは間違っている。」
「青臭くていやになるわ、あんたもそれほどの力を持っていながら、どうしてそんな青臭いことを言うの?」
「私は力を多くの人が平和に生きるために使いたい・・・、私や私を体現する下僕はそのためにパワー・ストームの力を使う。」
『どうやら、私たちは共に生きる事はできないようね。』
「刹那!!」
来馬がジャンディーナドルクに向かって言った。
『あら、裏切り者じゃない。今さら好きだと言ったら、殺すわよ。』
「刹那・・・、おれは今までお前と死ぬことができればそれでいいと思っていた。だけどアゴノが、生きることの意味を教えてくれた。死ぬときはいつか来る、大切なのはその時まで今を生き続けることだ!」
『ふぅ・・・、そんな言葉が私に響くと思った?なーんにも聞こえないわ。』
「ぐっ・・・、やはり戦いでしか刹那を元に戻すことはできないんだな。」
「ああ、そのようだ。それじゃあ、行くとするか!!」
アゴノと下僕たちは攻撃態勢をとった。
『ふふふ、そうこなくっちゃ。さあ、わが同士よ!!世界の終幕を壊そうとする愚か者どもに、正義を知らしめてやるのだ!!』
多くの人たちが武器を持って、「オーッ!!」と叫んだ。
そしてアゴノとジャンディーナドルクが、いよいよ激突する!!
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