第13話 商業ギルド

 歩いていくと商業ギルドに到着した。


 木造の建物で、冒険者ギルドよりも落ち着いた雰囲気がする。


 扉を開けると、身なりがキッチリした服装の人が多い。商人は見た目も大事なのか。

 俺は普段着をきているが、この服も何年も着ているので、シワだらけになっている。


「こんにちは。本日はどのような要件ですか。」

 受付に行くとピシッとしたスーツの男性が話しかけてきた。

 格好いい。他の受付には綺麗な女性もいるが、恥ずかしいので、男性のところにきたのだ。


「はい。商業ギルドに登録したくてきました。」


「そうですか。まずこちらに記入お願いします。」


 名前 キャンディ

 商会名

 代表商品 ジャム フルーツジュース

 登録理由 ジャムとフルーツジュースを売りたい。


「商会名って何でも良いのですか?」


「はい。商会名は、あなたの好きな名前で大丈夫です。税金もその商会名で納められるので、他に同じ商会が無ければ自由につけて大丈夫です。」


 商会名か。キャンディ商会じゃ普通すぎるな。お菓子いやフルーツ、変だなスイーツかな。キャンディスイーツでいいかな。


 商会名 キャンディスイーツ商会にしよう。


「キャンディスイーツ商会ですね。他に同じ商会はありません。商品はジャムですか。参考までに見せてもらえますか?」


「こちらです。」

 宿と同じビンに入ったイチゴジャムを見せる。


「すみません、味見しても良いですか?」

 良いですよと答えると、スプーンを取り出し一匙食べる。


「なるほどこれをいくらで売るのですか?」


「そうですね。このビンなら1500エルくらいですかね。」


「1500エル! いやすみません。」

 突然大きな声を上げた。


 やっぱり安いのか。


「すみません、他の職員にも食べて貰っても良いですか?1500エルは払いますので。」

 男性は席を離れ他の職員に味見してもらっていた。


 登録には1万エル必要なので、空間収納から出しておこうかな。


「お待たせしました。登録は問題ありません。キャンディスイーツ商会の発展を応援してます。」

 男性が戻ってきて、商業ギルドカードを渡される。商業ギルドにもランクがあり、売上や貢献度によってランクが上がるのだ。


 俺は新人商会として、Fランク商会となった。


「それでは商業ギルドについて簡単な説明をさせていただきます。商業ギルドは、商会の皆様の安全を守るためにあります。商会同士の契約や、冒険者ギルドへの依頼などの保証をしています。税金につきましてはランクによって変わります。Fランクなら売上の5%です。ランクが上がるごとに5%あがります。」

(S35% A30% B25% C20% D15% E10% F5%)

 Sランク商会なら35%も取られるのか。大変だな。


「ギルドカードには、お金の決済機能がついてます。食材の買い物や売上の入金等はギルドカードに登録させて頂いてます。」

 ギルドカードは魔法道具でギルドカードを持つ商会同士の契約は、ギルドカードの決済方法が使われるのだ。


「キャンディ様が他の商会にジャムを売るときは、ギルドカードで契約してくださいね。毎月税金の徴収は行われますので、注意してください。簡単な説明はこれで終わります。もしわからない事があれば、私に聞きにきてください。良いですね。受付にきて、副ギルドマスターのコルトさんはいますか? と聞けばすぐに向かいます。」

 なるほど。商業ギルドでも担当した商会ごとにボーナスがありそうだな。副ギルドマスターか。いなかったら別の人に頼もうかな。


「わかりました。コルトさんありがとうございます。わからない事があったら聞きにきます。」


 コルトさんにお礼を言って商業ギルドを出る。コルトさんは、外まで見送りに来てくれるほど親切な人みたいだ。

「よっしゃー!これでボーナスは確実だ!家のローンも終わる!」と叫んでいるが、良い人なのかな?


 まぁいいか。


 宿に戻る途中に果物を買って帰る。オレンジやイチゴ、リンゴもある。珍しくパイナップルもあるな。グレープにバナナもある。このお店はいろんなフルーツがあるな。


 フルーツを大量にギルドカードで購入した。お店の人にギルドカードへの入金魔法を「ギルドで教えてもらわなかったのかい」と呆れられながら教えてもらった。


 コルトさんめ。さっそく恥をかいてしまったよ。




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