第169話 決着!ナニワトライアスロン

ゴール前、豪快に水しぶきを上げて猛進するサンサン商事のエース!

体力まかせで、無駄なコース取りもしましたが、それを補って余りあるパワーと水中特性がありました。


そして、そのエースに追いついたしまづのエースとよひさ!

仲間たちの献身的な助けによって終盤体力を温存し猛追しましたが、限界が近づいていました。


「エースのひとかき」この水流による流れが最後の決め手になりました!

「優勝はサンサン商事のエース!!!」


しまづのとよひさは力及ばず惜しくも2位でした!!

ナニワのゴール前会場は大歓声に包まれました!!!


これだけのハードなレースにも関わらず、サンサン商事のエースはまだ元気で余力がありました。

そして、全力を使い果たし、息を切らしているとよひさの元に近づきます。


とよひさはそれに気づくと下を向き息を切らしていた姿勢を改め、残る力を込めてサンサン商事のエースと対峙します。

サンサン商事のエース 「本当にいいレースだった!君の敢闘を心から称えよう!」


意外というべきか、サンサン商事のエースは紳士的な態度でとよひさを称えました。

とよひさ 「ゼイ、ゼイ、ゼイ、優勝おめでとうございます」

とよひさは苦しくても競技者としての礼を失することがないよう、祝いの言葉を述べました。


この時、初めて、サンサン商事のエースの全身をとよひさは見ました。

肌は白く、体格はしっかりしていますが、顔の形は美男子と妖艶な美女とあどけない少女をミックスしたような美しい姿でした。


「ひでいえ!!!よくやったひでいえ!!!さすがわしが見込んだ男だ!!!」

ここで、サンサン商事の社長であるひでよしが歓喜の声を上げながらひでいえを抱きしめます。


サンサン商事孤高のエースの名前はうきた ひでいえ!!!

サンサン商事のひでよしたちの親戚であり、ひでよし大のお気に入りでした。

そして、ひでよしの意向を組んだサンサン商事副社長にしてひでよしの弟であるひでながが「遠泳大将」として育て上げたのが彼でした。


つまり、しまづだけでなくひでよしたちも一大プロジェクトを立ち上げて、全力で勝ちに来たのです。


さて、舞台は変わってトライアスロンのしまづ勢が集まる会場では、惜しいという意味の落胆と、敢闘したとよひさに対する感激の歓声が聞こえてきました。


よしひろ 「とよひさも、しまづ勢として参加した全ての者たちもあっぱれな活躍だった!だが、それにしても優勝を逃したのは悔しいのう!!!」


なりあきら 「いや、もしかしたらこれで良かったのかもしれませんよ!」


なりあきらの意味深な言葉の正体はなにか?

次回に続きます。

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