第137話 パピリオンと催し

ナニワ万博のパピリオン、お菓子メーカーの催しなので、ある程度定番の企画というのがあります。

まず、鉄板なのが、お菓子にちなんだゆるキャラです。


これは、ほぼすべてのパピリオンに標準装備されていて、お客さんが来た時にサービスをします。

それと、着ぐるみということで、各地域ごとのご当地ヒーローとのコラボも採用する企業が多くありました。


お菓子にちなんだゆるキャラとご当地ヒーローによるアクションショーは、比較的規模の小さい企業でも実現が可能なのでこれもほぼ定番でした。

もちろんDATE組を初め、大手であっても地元にヒーローがいれば会社の企画担当がぶち込んで行くことも珍しくありません。


開幕当初は暗い話題ばかりがったしまづにも開幕2日目に頼もしい援軍がしまづの県から来ました。

それは、しまづの県のご当地人気キャラ「隼人マン!」です。


まだ、建物が未完成だったのが、かえって幸いしてか、このご当地ヒーローのショーとしまづのパピリオンの組み合わせが一部の特撮ファンの良い評判を呼び込み、人気を巻き返すことが出来ました。


それ以上に、こうしたヒーローショーは子供たちや親子連れに大人気で、しまづもやっと活気を取り戻すことが出来ました。


他にもその地域にちなんだ催しがありました。

例えば、名家いまがわではサッカーが盛んなため、サッカーにちなんだ催しに力を入れていました。


ミニサッカー大会やコンピューターを使ったバーチャルサッカー大会を開いて、入賞者には自社製品の詰め合わせをプレゼントしたり、ゆるキャラのぬいぐるみを贈呈するなど、お菓子と関係の無い所からお菓子につなげる工夫をしていました。


名家うえすぎやゲンジたけだのような地方性の強い菓子メーカーは地方の歴史にちなんだ催しをパピリオン内のスクリーンで紹介していました。

伝統を重んじる姿勢と、長年同じ菓子をわき目もふらずに売り続ける頑固さと強さをアピールして、老舗としての信用を得ようという狙いです。


こうした、お菓子に特化した宣伝は、ナニワ万博に参加した比較的規模の小さいお菓子メーカーが得意としていました。

パピリオンは小さくても、お菓子の味で勝負というわけで、中には沢山の観光客を集める成功例もありました。


さて、次回はオダ カンパニーやサンサン商事など大手の催しについて紹介します。


※薩摩、あるいは鹿児島の実在するご当地ヒーローとして「薩摩剣士隼人」がいます。



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